自由、多すぎませんか? 京大総長、入学式の式辞で「自由」をなんと34回も

山極寿一総長のことばに聞き入る新入生ら=京都市左京区の京都市勧業館みやこめっせ
山極寿一総長のことばに聞き入る新入生ら=京都市左京区の京都市勧業館みやこめっせ

 京都大の入学式が7日、京都市勧業館みやこめっせ(京都市左京区)で行われ、初々しいスーツ姿の新入生やその保護者ら約7千人が参加した。山極寿一総長は「タフな賢い学生を育て、活躍できる世界へ送り出すことが教職員の共通の夢、目標」と歓迎した。

 約20分間のあいさつで、山極総長は京大の学風である「自由」の言葉を34回用い、「自由は他者との共存を希求するなかで、相互の了解によって作られるもの」と紹介した。

 選挙権の話題にも触れ、太平洋戦争で学徒出陣した時代は25歳以上の男子に限られ「学生たちは自分たちの意思ではなく、上の世代の決定で戦争に駆り出されていた」と指摘し、6月から選挙権を得る新入生に「皆さんの意思で、揺るぎなき未来を築くために確かな一票を投じてください」と呼びかけた。

 平成28年度の新入生は留学生を含め2997人。このうち、初めて実施した特色入試で81人入学したほか、女性が681人で全体の約2割を超えたという。

 千葉県出身で、文学部の吉田朱里(あかり)さん(18)は「総長の自由の言葉が印象に残った。中東やイスラムの歴史を学びたい」と新生活に期待を膨らませた。

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