成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)が12月から、メガホン型の翻訳機を世界で初めて試験配備する。パナソニックが開発中の翻訳機で、その名も「メガホンヤク」。メガホンヤクに向かって日本語で話すと、英語、中国語、韓国語に翻訳されて音声が流れる。平成32(2020)年開催の東京五輪もあって訪日外国人の利用の増加が見込まれるなか、対応にあたる空港職員の強い味方となるか。まるでドラえもんに登場する未来の道具のようだが、果たしてその実力は…。(橋本亮)
サーバー経由ですぐに
「もうすぐバスが来ます」
成田空港で11月12日に行われた報道公開では、職員がメガホンヤクを使ってこう話すと、メガホン上部に搭載された液晶画面に日本語で「もうすぐバスが来ます」と映し出された。再生ボタンを押して1~2秒後にはサーバーを経由した音声翻訳システムが英語、中国語、韓国語に訳し、順番にアナウンスしていく。
NAAがメガホンヤクの試験配備に乗り出すのは、「台風などで海外からの旅客が空港内に寝泊まりした際、英語での案内にとどまったため英語圏以外からの旅客にはスムーズな誘導や情報発信ができなかった」(IT推進部情報企画グループの窪田裕毅氏)ことがきっかけだった。
NAAは12月から来年3月まで、試験配備したメガホンヤク5台を導入し、使い勝手や要望などをパナソニック側に報告する。それらにあわせて改良がなされれば、本格導入に踏み切る方針だ。