本コラムでは2013年11月17日に、米軍があのハリウッド映画のスーパーヒーロー「アイアンマン」のように超人的な戦闘能力を発揮できるパワード・スーツの実用化計画を進めているといったお話をご紹介しましたが、今回はこの話題に続き、本当に久々となる兵器関連のお話です。とはいえ、本当に恐ろしい内容ですよ。
英誌ネイチャーに論文…初国際会議87カ国の専門家も“韓国ロボに懸念”
5月27日付で英紙デーリー・メールやデーリー・テレグラフ(いずれも電子版)などが伝えていますが、米カリフォルニア大学バークリー校でコンピューター・サイエンスを教えるAI(人工知能)分野の専門家、ステュアート・ラッセル教授が、英科学誌ネイチャー(5月27日付電子版)に、欧米で開発計画が進む殺人ロボット「自律型致死兵器システム(LAWS)」が人類に深刻な危機を及ぼす可能性が高く、その開発について世界が真剣に考えるべき時にきているとの論文を発表し、物議を醸しているのです。
本コラムではAIの話題についても過去、何度かご紹介していますが、最近ではあの宇宙物理学の権威スティーヴン・ホーキング博士や、米宇宙関連企業スペースXと高性能の電気自動車メーカーで知られるテスラ・モーターズの最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏が「AIは将来、人類を滅ぼす」と警告し、話題を集めました。
そして今回、ラッセル教授が指摘する殺人ロボットのLAWSですが殺人ロボットと言っても、ハリウッド映画「ターミネーター」に登場するあの骸骨(がいこつ)のような人間型のロボットではありません。
彼が指摘するのは、いま日本でも首相官邸の屋上に落下して大騒ぎになった小型無人機(ドローン)に機関銃やミサイルを搭載したようなものです。1991年の湾岸戦争以降、兵器の自動・無人化がどんどん進んでおり、最近では、イラクとシリアにまたがる地域で活動するイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」に対し、米軍が無人攻撃機「プレデター」で大規模な空爆を行い、幹部の殺害に成功しました。
こうした無人攻撃機は遠隔操作で敵地を正確に攻撃でき、現地での米兵の危険度も大幅に軽減できるのが利点と言われていますが、ラッセル教授はこうした無人攻撃機にAIが搭載されることを懸念。