JR西日本では台風が接近し、安全上必要と判断した場合、前日夕までに京阪神地区の在来線の全線運休を予告することになっている。今回は台風11号の通過後も雨が降り続くことを想定せずに予告運休を見送ったが、各地で雨量計が規制値を超えた状態が続いて始発からの運転見合わせに追い込まれた。
JR西では雨量計が規制値を超えた際には、雨が降りやんで一定の時間が過ぎてから線路や沿線の斜面をチェック。土砂崩れなどの危険がないことを確認してから、運転を再開させる。
しかし雨が降り続いたことでこの作業に入ることができず、運転見合わせが長期化。JR西によると、都心部を走る大阪環状線も一部で線路が盛り土の上を通っていることから安全確認が必要とし、始発から運転が見送られた。JR西は16日、予告運休などの判断を担う輸送対策本部を設置。台風11号が京阪神地区の中心部から外れることや、気象会社から提供を受けた情報などから予告運休は必要ないとの判断をしたという。
しかし結果的に駅で利用者が足止めをくらう事態に。JR西の関係者は「気象を正確に予測することは難しいが、結果的にお客さまに迷惑をかけた。台風通過後の状況をどう想定していくのかは、今後の検討課題になり得る」と話した。