筑波大(つくば市天王台)は、学内に食料品スーパーを中心としたショッピングプラザの建設を計画しており、7月上旬に事業者を公募する。同大によると、複数の店舗が入るショッピングプラザの設置は全国でも珍しく、学生や職員だけでなく、一般の利用も可能にする。大学側はショッピングプラザのほか、図書館なども利用してもらい、地域の利便性の向上やにぎわいの創出につなげたい考えだ。(篠崎理)
◇
建設予定地は、平砂学生宿舎北側で、900〜1200平方メートルの食料品スーパーが核となる。このほか、約500平方メートルの敷地には、カフェや飲食店などを整備する予定だ。来年10月の開店を目指す。
事業者が店舗の建設や運営を行い、同大は土地の賃貸料を得るという。同大は「商業施設は民間事業者が運営するので、民業圧迫にはならない」としている。
福利厚生施設であることや、学生の利用がメインとなることから、価格を安くするため、商品の値段も公募の条件となることが考えられ、ワンコイン以下の弁当を扱うことも検討されている。
駐車場は50台分を整備するが、夏休みなど長期休暇中は客が減ることも想定される。大学側ではバーベキューコーナーの設置やいすを並べることなどで、一般客の利用も見込んでいる。
広大な敷地面積の大学構内には複数の学生寮があり、留学生を含めて約4千人の学生が暮らす。近くにコンビニエンスストアはあるが、スーパーはなく、買い物は不便だった。ショッピングプラザの建設予定地は学内のほぼ中心にあるため、学生や職員が授業や仕事の帰りに買い物をできるようになるメリットがある。
同大では、一般の利用客に特別な呼びかけはしないが、登録すれば図書館を利用できることや公開講座などを知ってもらい、同大の理念である「開かれた大学」を進めるとともに、地域ににぎわいをもたらしたい考えだ。
同大3年の男子学生(21)は「スーパーは家から遠く、雨の日は本当に不便。これからは授業の帰りに買い物ができる」と歓迎している。中国からの男子留学生(22)は「(同大に)留学生は多いので、ぜひ各国の食材も扱ってほしい」と期待している。