御嶽山噴火「登山者多く富士山と酷似」 静岡市消防援助隊1次隊が帰還

 噴火直後から御嶽(おんたけ)山で被災者の救助活動に当たった静岡市消防局の派遣隊員16人が1日、静岡市内に帰還し、田辺信宏市長に現地での活動を報告した。記者団の取材に応じた隊員らは、「灰が深雪のようで、足をとられた」「7人の生存者を救助できたので、満足感があった」など、困難な現場での活動状況について語った。

 静岡市消防局の派遣隊員は、浜松、沼津、富士の各消防の派遣隊員計41人で構成する県緊急消防援助隊第1次隊として、9月28日未明に御嶽山に向け出発、一睡もせずに救助活動に当たったという。同日昼過ぎには、山頂付近の王滝頂上山荘内に到着。東京消防庁と協力して山荘から生存者7人を含む11人を搬送した。

 1次隊の副隊長、増田卓史さん(50)と救助隊長の池田暢章さん(51)によると、標高3千メートルの地点にある山荘付近は火山灰が膝下まで積もり、足場の悪い過酷な環境での救助作業だった。山荘内にも灰が充満。負傷者はベッドに横たわっていたが声を出せず、「生存を確認する際には緊張した」(池田さん)という。負傷者の多くは、噴石で頭などに裂傷を負っていたという。

 第1次隊の隊長として指揮をとった武田光弘さん(57)は「御嶽山は活火山だが信仰の山で登山者が多いという点で富士山と似ている。自然の恐ろしさをもう一度思い起こしてもらえれば」と話し、今回の活動を今後の災害対応に生かしていく考えを示した。

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