2・8春節

500万訪日中国人客「おすすめ爆買いリスト」トップ10はこれだ! 中国版ツイッターが映し出す「本音」ランキング

【2・8春節】500万訪日中国人客「おすすめ爆買いリスト」トップ10はこれだ! 中国版ツイッターが映し出す「本音」ランキング
【2・8春節】500万訪日中国人客「おすすめ爆買いリスト」トップ10はこれだ! 中国版ツイッターが映し出す「本音」ランキング
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春節(旧正月、8日)本番を迎え、爆買い訪日中国人旅行客であふれかえる東京都心の繁華街。荷物を両手いっぱいに抱えて闊歩する中国人は、昨年だけで過去最高の499万人に上った。その目的は買い物とされるが、いったい彼らは何を爆買いしているのだろう。中国版ツイッターを詳細に分析し、作成された爆買いランキングから、動向を探った。

ソーシャルメディアの分析を手がけるホットリンク(東京)が昨年10~12月、中国版ツイッター微博(Weibo、ウェイボー)や同LINEの微信(WeChat、ウイーチャット)などに投稿された「日本で◯◯を買った」との書き込み約70万件を解析した。それらから「つぶやき」の多かった商品の順にまとめたのがトップ10ランキング=別表=だ。

堂々の首位は「雪肌精(せっきせい)」で、化粧水、クリーム、乳液などのスキンケア用品をそろえるコーセーの主力ブランドだ。濃い青のパッケージは中国含むアジア各国で広く知られ、美白に効果があるとしてお土産用・個人用として大人気。「tax free」の看板を掲げるドラッグストアには、「雪肌精」シリーズの詰め合わせ品が所狭しと並び、コーセーの業績好調を支える要因ともいわれるほどだ。

3位には、美容液を含んだシートを顔になじませて使う「贅沢ジュレのシートマスク」が入り、4・6・7位にはダイエット・健康関連がずらり並ぶ。まさに中国女性の「美」へのこだわりを映すランキングだ。

こうした傾向から、同グループ会社で爆買いレポートサービスを担当する編集責任者、四家章裕(しけ・あきひろ)さんは「『爆買い市場』は『女性市場』ともいわれるゆえんだ」と話す。

目薬やG-Shockも

女性目線でない商品も人気があり、2位の魔法瓶(マグボトル)をはじめ温水洗浄便座、炊飯器、セラミック包丁の「四宝」は日本土産の定番ともいえる。

ランキングで目新しいのは目薬だ。中国では購入の際に処方箋が要るため「処方箋なしで気軽に買えるため8位に入った」(同社広報)という。17位のカシオ腕時計ブランド「G-Shock」シリーズも注目株。上海に専門店がオープンしたことで認知度が高く、今後、大化けする可能性をはらんでいる。

根底にあるのは自国製品への「不信感」

売れ筋が並ぶこのランキングは、実は中国人が信頼する商品の一覧表でもある。そもそも中国人の間には自国製品への強い不信感が根底にある。例えば、有害物質のメラミンが粉ミルクに混入した事件や、消費期限切れの鶏肉が「ナゲット」に使われていた問題など暗い過去は枚挙にいとまがない。

中国国内では「パクリ」とも揶揄されるコピー・偽物商品が出回り、信頼しようにも信頼できないのが実情で、ジャパンブランドはじめ外国製に目が向く理由となっている。

「これらをつかまされないよう自衛のため中国の消費者はネット上の口コミ(ソーシャルメディア)など人づての情報を基に購買の意思決定を行う。逆に言うと口コミのない商品には手を出さない」と、四家さんは話す。

その結果、つぶやきが多い商品の一覧は売れ筋でもあり、信頼する商品一覧にもなっているわけだ。

爆買いツアー客らの中には、帰国後にネット転売する目的で仕入れのため訪日する「代購」も含まれる。目利きの品についてネット上での発信を増やし、ランキングに影響を与えている面もあるという。

今年の春節どうなる

春節シーズンはどうなるのか。同社のネットアンケート(500人対象)によると、医薬品、化粧品、服飾を買いたい人が多いという結果が出た。中国人が1年を通して消費に最もお金を使う時期だけにブランド品も買われそうだという。

団体ツアーではなく個人で来日するリピーターも増え、新たなトレンドも浮上。彼らの投稿をみると買い物一辺倒ではなく、「富士山に登りたい」「温泉に入りたい」などが目立つといい、四家さんは「爆買いの対象は今後、モノそのものにとどまらず『体験』『サービス』に向かうだろう」とみている。(柳原一哉)

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