静岡県議会最大会派の自民改革会議は12日、日本学術会議推薦の新会員候補任命見送りに関して川勝平太知事が「菅義偉首相の教養レベルが露見した」などと発言したことをめぐり、川勝知事に公の場での発言には慎重を期すよう申し入れることを決めた。
7日の定例記者会見で川勝知事は、学者出身の知事として任命見送りに関する見解を問われ「首相の教養のレベルが図らずしも露見した。学問をした人ではない。単位を取るために大学を出たのではないか」などと発言していた。
一連の発言を問題視した自民改革会議は「学歴に関して個人への誹謗(ひぼう)中傷に当たるような発言はいかがなものか。周囲に物議をかもす発言はしないよう今後は気を付けてほしい」との趣旨の申し入れを行うという。ただ、県議会ではなく定例会見で記者の質問に答えての発言であるため、内容の訂正や撤回は求めず、今後の言動に注意を促すにとどめるとみられる。
川勝知事の舌禍は前例がある。昨年12月に面談の席で、県の構想に反対する県議らについて触れ「やくざもいる。ごろつきがいる」と発言。自民改革会議の公開質問状を受けて翌年の県議会2月定例会で「発言には不適切なものがあった。不信を抱かれた方々におわびします」と謝罪する事態に追い込まれた。
川勝知事は比較経済史が専門の経済学者で、知事当選前は早大教授や国際日本文化研究センター、静岡文化芸術大学長などを務めた。