安倍晋三首相、日朝首脳会談は「拉致問題解決につながること」前提 解決前の経済支援も否定

 安倍晋三首相は11日、フジテレビ番組に出演し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談について「拉致問題の解決につながらなければならない。1回会って話をすればいいということではない」と述べ、会談は拉致問題の解決が前提になるとの考えを強調した。「拉致問題が解決していない中で(北朝鮮に)大きな経済支援をすることはない」とも明言した。

 6月12日の米朝首脳会談に関しては「トランプ米大統領が得意なディール(交渉)能力をいかし、目標達成に向かって突破口を開いてほしい」と期待を示した。首相とトランプ氏は6月8、9両日にカナダで開かれる先進7カ国(G7)首脳会議で会談する方向で調整している。

 首相は米朝会談の焦点として、金氏が核兵器を含むすべての大量破壊兵器、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄(CVID)と拉致問題の解決を「決断するかどうかだ」と述べた。

 首相はこれまでのトランプ氏との会談で、北朝鮮の核廃棄が実現しなかった過去に関し「制裁解除や(経済)援助の見返りのタイミングを間違えれば、同じ過ちを繰り返すことになる」と話し、トランプ氏は「その通りだ」と答えたと紹介した。また、金氏に直接会った人から聞いた話として「金氏は最終的に一人で判断し、自信を持っているようだ。国際社会の出来事を熟知し、自分の国にどういう問題があるかよく知っている」と語った。

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