32年度プライマリーバランス、黒字化目標の撤回も 政府、財政健全化計画の見直し検討

 その上で、目標として重視すべきは債務残高のGDP比を安定的に減らすことと指摘。日本は「国際公約」で「安定的な引き下げ」を財政再建の大目標に掲げており、「PB黒字化」は手段にすぎない。手段は柔軟に取り下げることが許されると唱える。

 日本は低金利で債務拡大が抑えられる一方、GDP成長が続き、債務残高のGDP比は減っている。内閣府試算では28年度の189.5%をピークに37年度まで低下が続く。

 安倍首相も3月の参院予算委員会で「(PB黒字化は)累積債務のGDP比を減らす通過点」と述べ、債務残高のGDP比削減を重視する考えを示した。ただ、PB目標を撤回すれば財政規律の緩みが意識され、国債が売られて金利が急騰するリスクもある。

 政府は30年度に財政状況を中間点検し、同年6月ごろ策定する骨太方針に向け、PB黒字化目標のあり方を議論する。

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