安倍晋三首相は6日午前、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意したことを受けて首相官邸で記者会見を行った。会見の全文を冒頭発言(上)、質疑応答(下)に分けて紹介する。
【冒頭発言】
「新しいアジア太平洋の世紀、いよいよその幕開けです。日本と米国がリードして、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった価値を共有する国々とともに、このアジア太平洋に自由と繁栄の海を築き上げる。TPP協定について昨日、大筋合意に至りました。かつてない規模の人口8億人、世界経済の4割近くを占める広大な経済圏が生まれます。そして、その中心に日本が参加する。TPPはまさに国家百年の計であります」
「TPPは私たちの生活を豊かにしてくれます。それは貿易に国境がなくなり、世界のバラエティーあふれる商品を安く手に入れることができるというだけではありません。海賊版、偽物の商品を買わされて後悔する、そのようなことはなくなっていきます。海外に旅行したときの電話代も安くなるかもしれません。サイバーの世界を飛び交うみなさんの個人情報も、しっかりと守られるようになります」
「TPPのメリットは単に関税をなくすだけにとどまりません。安かろう悪かろうは認めない。サービスから知的財産に至るまで、幅広い分野で品質の高さが正しく評価される、公正なルールを共有し、持続可能な経済圏を作りあげる、野心的な取り組みであります。TPPは私たちにチャンスをもたらします。その主役は、きらりと光る技をもつ中小・小規模事業者の皆さん、そして個性あふれるふるさと名物をもつ地方の皆さんであります」