埼玉・深谷市立中が政府配布マスクの着用求める

立憲民主党・川内博史氏(春名中撮影)
立憲民主党・川内博史氏(春名中撮影)

 立憲民主党の川内博史衆院議員らは25日、国会内で記者会見を開き、政府が配布した布製マスクの着用を強要するかのようなプリントを埼玉県深谷市の公立中学校が作成し、保護者に配布していたことを明らかにした。文部科学省を通じて事実関係を確認した。主要野党は同日中に文科省から事実関係を改めてヒアリングし、同様の事例が全国でも発生していないかを調査する考えだ。

 プリントの写真は25日、学校関係者とみられる人物のツイッターに投稿されていた。プリントには27日の予定などが記載されており、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、「アベノマスク着用(別のマスク着用生徒については携帯しているか)の確認」「アベノマスクを忘れた生徒は少人数教室に残る」などと記載されていた。

 主要野党は25日、ツイッター上のプリントの事実関係の確認を文科省に要請。文科省が埼玉県教育委員会などに事実関係を問い合わせたところ、深谷市内の公立中学校で布製マスクの着用を義務付けるような表現のあるプリントを配布したことを確認した。

 プリントが配布された背景について、川内氏は「安倍晋三首相は国家主義的な思想、政治哲学を前面に押し出しながら、これまで政権運営をしてきた。『アベノマスク』をあがめ奉っているごとくな書き方がしてあることにも、そういう一端が出ているのではないか」と語った。

 立民の黒岩宇洋国対委員長代理は「一国の首相に忠誠心を無理強いするようなことが現代に起こっている」と批判した。

 一方、無所属の山井和則衆院議員は「不織布マスクの方が感染防止効果が高いにも関わらず、感染防止効果のより低い布マスクを義務化するのは問題がある」と訴えた。山井氏によると、文科省担当者は「特定のマスクの着用は義務付けていない」と説明したという。

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