ダイヤモンド・プリンセスの姉妹船で約20人感染症状 米CDC調査

 【ワシントン=住井亨介】米西部カリフォルニア州のニューソム知事は4日の記者会見で、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を保有する米国の船会社「プリンセス・クルーズ」の別のクルーズ船で、乗客・乗員約20人にコロナウイルスの「感染症状」が出ていることを明らかにした。米CNNテレビ(電子版)によると、船は予定を変更して帰港するためサンフランシスコへ向かっている。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)が船会社の話として伝えたところによると、船は「グランド・プリンセス」で、サンフランシスコ-メキシコ間のクルーズ(2月11~21日)で「小規模な」感染が発生。男性(71)が死亡したという。

 さらにグランド・プリンセスは21日にサンフランシスコからハワイに向けて出発した。CNNなどによると、メキシコ行きクルーズの乗客約2500人のうち半数以上はカリフォルニア州の住民で、一部はハワイへのクルーズにも乗船。インフルエンザのような症状が出ている人もいるという。

 米疾病対策センター(CDC)は地元の保健当局と協力し、乗客の追跡調査など対応に乗り出している。ニューソム知事は、同州で初めてとなる死者が出たことを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。ロサンゼルス市を含む州内のロサンゼルス郡も4日、郡内の感染者が計7人となったことを受けて同様の宣言を出した。

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