電通女性社員自殺

電通「働きやすい」認定取り消し検討 厚労相「厳正対処」

高橋まつりさんの遺影と母親の幸美さん(天野健作撮影)
高橋まつりさんの遺影と母親の幸美さん(天野健作撮影)

 昨年12月に新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺した電通について、厚生労働省が労働時間短縮に取り組み、働きやすい「子育てサポート企業」に認定していたことに対し、塩崎恭久厚労相は28日の閣議後会見で「認定取り消しを含めて厳正に対処する」と述べた。

 「子育てサポート企業」は次世代育成支援対策推進法に基づく制度で、重大な法律違反がないことも基準となっている。認定されると、専用のマークを広告などに使ってアピールできるメリットがある。電通は平成19、25、27年の3回認定された。

 しかし電通は、労使協定で定めた残業時間の上限を超える違法な長時間労働を社員にさせたとして、支社も含めて26、27年と過去2回是正勧告を受けている。

 現在も高橋さんの過労自殺を受けて、東京労働局が刑事事件化も含めて調査している。塩崎厚労相は「認定基準もより適切なものにしていきたい。過労死にかかる労災請求の事業所に対し監督指導を徹底して、調査結果を踏まえて厳正に対処していく」と話した。

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