国内総生産(GDP)の2倍、1千兆円を超え、なお増え続ける国の借金を前にすると、「およそ世の中に何が怖いと言っても、暗殺は別にして、借金ぐらい怖いものはない」といった福沢諭吉の言葉(福翁自伝)を思い出す。借金は返さねばならず、返済が遅れれば、その分、負担は膨らむ。
財政再建を急ごうにも「失われた20年」で落ち込んだ日本のGDPはいまだ20年前の水準に戻らず、世界に先駆けて65歳以上の高齢人口が25%以上を占める超高齢社会に突入し、社会保障費は一段と膨れ上がる。一方で国の支えとなる人口は2008年から減少に転じている。
≪各国が注目する日本の挑戦≫
難問が山積する現状は国を大きく作り替えるチャンスであり、歴史を振り返れば日本にその力は十分ある。政権が取り組むアベノミクス、地方創生の成否こそカギであり、国が焦土と化した70年前と同様、ゼロから出発する覚悟こそ欠かせない。