ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ軍と治安機関のウクライナ保安局(SBU)は14日未明までに、露各地にドローン(無人機)などによる大規模な攻撃を行った。SBU筋の話としてウクライナメディアが14日伝えた。この攻撃で、露南西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地の弾薬庫や石油精製工場、西部トゥーラ州とブリャンスク州の化学工場で大規模な火災が発生したとした。
SBU筋は「露軍の戦争遂行力に打撃を与えた」と主張した。ロイター通信は「ロシアに対する今回のドローン攻撃は過去最大規模の一つだ」と伝えた。
露国防省は14日、ウクライナ軍が発射した米国製の長射程ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」6発と、英国製の長射程ミサイル「ストームシャドー」8発、ドローン180機などを撃墜したと主張。「ウクライナは報復を受けざるを得ない」と表明した。
露国営タス通信によると、露当局は今回の攻撃でサラトフ州の企業2社が損傷を受けたと発表。中部タタルスタン共和国ではガソリンタンクが燃えたほか、トゥーラ州では家屋や自動車が損傷したとした。
前線の戦況を巡り、露国防省は14日、ドネツク州の集落1カ所を新たに制圧したと主張した。ウクライナ軍東部方面部隊のトレグボフ報道官は14日、攻防が続く同州の小都市トレツクの支配権をウクライナ軍が失ったとする一部報道を否定した。同国メディアが伝えた。