自民党は9日、経済安全保障推進本部などの合同会議を党本部で開き、バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収に阻止命令を出したことを受け、日本政府が米国の判断をただすよう促す決議をまとめた。日本政府が米国側にハイレベルで経済安全保障上の懸念を伝えるとともに、阻止命令の撤回を含めて適切な行動を要請するよう求めた。
経済安保推進本部の小林鷹之本部長は会議後、「同盟国の米国に対し日本の意思を示す必要がある」と指摘。石破茂首相が「早急にバイデン氏に日本としての問題意識を話すことが必要だ」と強調した。
決議では、日米相互の投資拡大を含めた経済関係強化や経済安保分野での協力は互いに不可欠だとして、「バイデン政権による判断は理解に苦しむ」と非難。今回の阻止命令で日本企業が対米投資に消極的になれば「両国の国益確保などの観点から決して望ましくない」と指摘した。
その上で、日本政府の対応として、米国側に対して阻止命令の撤回を含めた適切な行動のほか、阻止命令の根拠となった「安保上の懸念」の内容や買収計画の審査手続きについての説明を要請するよう求めた。