2023年に茨城県の日立市役所前広場と東海村役場に車で突っ込んだとして、殺人未遂罪などで起訴された同市の無職、益子泰被告(54)に東海村が庁舎の復旧費用など計約1200万円を求めた訴訟の判決で、水戸地裁は13日、事件で村に損害が発生したと請求を認め、計約1110万円の支払いを命じた。
佐々木健二裁判長は判決理由で、同村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で1999年に起きた臨界事故で被害を受けたとの被告主張について「行為の違法性や損害額の判断に影響を及ぼさない」と指摘した。一方、村職員の精神的苦痛への慰謝料は「理由が判然としない」などと請求を認めなかった。
判決によると、23年12月6日午後1時半ごろ、村役場の玄関ロビーに車で突っ込み、自動ドアを突き破り、待合椅子など多数の備品を壊した。
益子被告は、その前に日立市役所前で開催中のイベント参加者を車ではね、けがを負わせた罪で起訴されている。