都内で日中対話「東京―北京フォーラム」開幕 日中外相が相互訪問に意欲

「東京―北京フォーラム」であいさつする岩屋外相=4日午前、東京都港区
「東京―北京フォーラム」であいさつする岩屋外相=4日午前、東京都港区

日本と中国の有識者らが両国間の課題を話し合う民間対話「東京―北京フォーラム」が4日、東京都内で開幕した。日中外相があいさつし、岩屋毅外相は中国が日本人の短期滞在の査証(ビザ)免除措置を再開したことを「再び日中関係は前に力強く進み始めた」と評価。「この歩みをさらに推し進めるため、できるだけ早く中国を訪問したい」と意欲を示した。

岩屋氏は両国民の互いに対する印象が過去最低水準となった2日発表の日中共同世論調査を踏まえ、「相互理解を一層深める重要性を感じた」と指摘。地域や世界に大きな責任を有する日中は「あらゆる分野で意思疎通を強化しないといけない」と述べた。

中国の王毅外相もビデオメッセージを寄せ、「中国は一貫して日本を重要なパートナーとみなしている」と言及。歴史や台湾の問題は「両国の交流と協力のボトムラインだ」とし、「約束を守り互いに尊重し合うことでのみ、中日関係の政治的基盤は安定する」と語った。「適切な時期に日本を訪問したい」と訪日の意思も示した。

他に福田康夫元首相(代読)や中国共産党中央宣伝部の莫高義副部長らがあいさつ。午前の全体会議では中国人民銀行(中央銀行)の易綱前総裁やアジア開発銀行の神田真人次期総裁らが議論した。

民間非営利団体「言論NPO」と中国国際伝播(でんぱ)集団が主催。20回目となる今回は「多国間協力に基づく世界秩序と平和の修復に向けた日中協力」をテーマに5日まで政治や安全保障、経済などの分科会で議論する。(桑村朋)

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