「舟唄」「雨の慕情」などのヒット曲で知られた演歌歌手の八代亜紀(やしろ・あき)さんが昨年12月30日、急速進行性間質性肺炎のため死去した。73歳。所属事務所の公式サイトで発表された。葬儀は1月8日に所属事務所関係者らで執り行われた。後日、お別れの会を開く予定。
昨年9月に膠原(こうげん)病と診断され、療養のため年内の活動を全て休止すると所属事務所が発表。年内の活動は全てキャンセルし、病院療養していた。
熊本県八代市出身。16歳のとき「歌手になりたい」と父親の反対を押し切り家を出た後、ナイトクラブの専属歌手を経て、昭和46年、「愛は死んでも」でデビュー。48年に「なみだ恋」が大ヒットし、54年の「舟唄」で人気を不動のものとした。55年には「雨の慕情」で日本レコード大賞を受賞した。
このほか「おんな港町」「愛の終着駅」などヒット曲多数。艶っぽくハスキーな声から演歌の女王と呼ばれた。ブルースやジャズなど幅広いジャンルを歌いこなし、全国の女子刑務所や少年院への慰問をライフワークとしていた。
芸能生活40周年を迎えた平成22年には歌唱技術が認められ、文化庁長官表彰を受けた。
歌手としての活動の傍ら絵画も描き、フランス画壇の登竜門「ル・サロン」展へも5年連続入賞を果たすなど活躍した。
所属事務所は「とても穏やかな顔で旅立ちました」とコメントした。
八代亜紀さんインタビュー