首相、期限付き所得税減税の検討指示へ 税収増を還元

岸田文雄首相
岸田文雄首相

岸田文雄首相は19日、税収増を国民に還元するため、期限付きの所得税減税を検討する方向で調整に入った。20日に官邸で自民党の萩生田光一、公明党の高木陽介両政調会長らと面会し、自ら指示を出す意向だ。政府が策定を進めてきた経済対策は11月2日に閣議決定する方針だ。複数の政府関係者が明らかにした。

首相は税収増の還元を物価高対策の柱に位置付けており、所得税減税の方向性を早期に示したい考えだ。

自公両党は今月17日、それぞれ首相に経済対策に関する提言を提出したが、所得税減税は盛り込まなかった。ただ、首相は所得税減税に意欲的とされ、官邸が水面下で具体的な議論の進め方を調整した。

首相は19日夕、記者団に対し、萩生田氏ら自公幹部と20日に面会すると表明した。しかし指示する内容は明かさず「国民への還元について早急に具体化していきたい」と述べるにとどめた。

一方、経済対策を巡っては、政府は当初、月内の閣議決定を目指していた。しかし、20日召集の臨時国会で首相の所信表明演説が通例行われる召集日から23日にずれ込み、首相が出席する予算委員会の質疑が11月1日までかかる見通しとなった。政府・与党は質疑への影響を考慮し、閣議決定の日程も後ろ倒しにする考えだ。

経済対策は①物価高対策②持続的な賃上げと地方の成長③国内投資の促進④人口減少対策⑤防災・減災など国民の安心・安全―の5本柱となる。

政府は閣議決定した後、裏付けとなる令和5年度補正予算案を編成し、同月下旬にも国会に提出する。

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