【北京=三塚聖平】中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は6日の記者会見で、フランスのマクロン大統領が北大西洋条約機構(NATO)が検討している日本連絡事務所の開設計画に反対していると報じられたことに関し、「アジアは北大西洋の地理の範疇(はんちゅう)になく、アジア版のNATOの創設も必要ない」と表明した。
汪氏は、NATOに対し「この問題において頭を冷静に保つべきだ」と発言。日本側に対しても「地域の安定と発展の利益に合致する正しい判断を行うべきだ」とクギを刺した。
中国は、米国が主導する対中包囲網が自国周辺で影響力を増すことを強く警戒している。汪氏は「大部分の地域国は、同地域で各種の軍事集団が寄せ集められることに反対している」と述べ、NATOに対する警戒姿勢をあらわにした。
6日付英紙フィナンシャル・タイムズは、NATOが検討している日本連絡事務所の開設計画について、フランスのマクロン大統領が反対していると報じた。