堺市中区小阪の市道で夜間パトロールをしていた男性4人が車にはねられ、2人が死亡したひき逃げ事件で、大阪府警中堺署は28日、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、同市中区小阪西町の建設作業員、猪木康之容疑者(49)を逮捕した。「事故を起こして立ち去ったのは確かだが、人をはねたという認識はなかった」と容疑を一部否認しているという。死亡した2人は2列になった状態の車道側を歩いていたことも判明。同署が詳しい状況を調べている。
逮捕容疑は、27日午後11時55分ごろ、乗用車を運転中、町内会が実施する夜間パトロールに参加していた4人をはね、大阪市職員の山中正規(まさのり)さん(46)=堺市中区小阪=と内装業の村上伸治さん(47)=同=を死亡させ、40代の男性2人に軽傷を負わせたにもかかわらず、逃走したとしている。
現場は片側1車線の歩道のない直線道路で幅約6メートル。パトロール中の8人は道路の端を1~2列になって北から南へ歩いていた。府警によると、山中さんと村上さんは後方で2列になった状態で車道側を歩いていた際、猪木容疑者の車が後ろから衝突。軽傷の2人は列の先頭にいたという。
司法解剖の結果、山中さんの死因は血液を吸い込んだことによる窒息死、村上さんは失血死だった。いずれも頭の骨が折れていた。
府警が付近の防犯カメラを解析し、逃走車両を追跡したところ、現場から約700メートル離れた猪木容疑者宅の駐車場で山中さんらをはねたとみられる車を発見した。
猪木容疑者の車は前方がへこみ、部品が外れるなど破損。現場近くには、ドアミラーの一部など、部品が複数落ちており、車の損傷部分と一致した。