中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)に投稿された動画などによると、河南省鄭州市にある米アップルのiPhone(アイフォーン)を生産する巨大工場周辺で23日、補給金を巡って不満を持つ従業員と当局者がにらみ合い、一部で衝突する事態が起きた。
同工場は台湾・鴻海精密工業の傘下にあり、厳しい新型コロナウイルス対策で従業員の不満が高まっていた。鴻海は23日、多数の従業員らによる抗議活動があったことを認めた。生産低迷がアップルの業績に響く可能性もある。
動画によると、数百人規模の人々が鉄棒などを持ち、コロナ対策の白い防護服を着た当局者らを追いかけた。警察と書かれた透明の盾を持って整列する当局者や、抗議者とみられる男性を取り囲んで踏みつける様子が写っていた。
鴻海は、抗議は22日夜から始まったと説明し「当社は補給金に関する契約を守っている」と主張。「従業員や政府と意思疎通を続け、暴力行為の再発を防ぐ」とコメントした。
同工場は10月に新型コロナの感染者が発生し、従業員が工場や宿舎から外出することを禁止。従業員が徒歩で逃げ出す騒ぎが起き生産能力が低下した。アップルはアイフォーン最新型「14」シリーズ上位機種の出荷台数が想定を下回る見通しだと11月発表した。(共同)