自民党は4日、党本部で霊感商法などの被害者救済を検討する消費者問題調査会小委員会(若宮健嗣小委員長)の初会合を開いた。関連法令の改正も見据え、年内にも提言をまとめることを確認した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)系団体と党所属議員との関係が批判を受けている事態の沈静化を図るが、先行きは不透明だ。
会合では、政府から霊感商法などに関する相談内容や、過去に宗教法人の解散命令を出した事例などについての説明があった。会合後、若宮氏は記者団に対し「ゆっくりと構えているわけにはいかない」と述べ、精力的に議論する考えを示した。政府は消費者契約の関係法令の見直しを視野に入れており、党は課題の洗い出しを急ぎ、政府を後押ししたい考えだ。
ただ、自民内では旧統一教会問題への危機感は強い。4日の党総務会では出席者から「それぞれの地域で旧統一教会との関係が深刻な問題になっている。(来春には)統一地方選もある。党本部は明確な対応を示してほしい」との注文が出た。
政府や自民の対応は後手に回っている。9月8日に党所属議員と旧統一教会との接点に関する点検結果を公表した後も、山際大志郎経済再生担当相が教団トップの韓鶴子総裁と会っていたことなど新たな関係が発覚した。党幹部は「終わりがあるとは思えない」と語った。
岸田文雄首相は「関係を断つ」と繰り返しているが、党幹部は「仮に選挙の公認や推薦に当たって宗教を尋ねれば、アウトだ。頭が痛い」と肩を落とした。(児玉佳子)