ASEAN意識調査 中国に不信感 日本に期待も

中国は「東南アジアを勢力圏にしようとしている」と危惧する声が4割を超え、「良心的で慈悲深い」とした回答は7%だった(ロイター)
中国は「東南アジアを勢力圏にしようとしている」と危惧する声が4割を超え、「良心的で慈悲深い」とした回答は7%だった(ロイター)

【シンガポール=森浩】シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所は18日までに東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の研究者やジャーナリストらを対象にした外交関係などに関する調査結果を発表した。東南アジアでの中国の影響力拡大に懸念を示す声が上がった一方で、日本への期待感も示された。

調査は同研究所が2019年から毎年発表しており、今回は昨年11~12月にASEAN10カ国の計1677人に聞いた。

東南アジアで「最も経済的に影響力がある国」を問う項目では、中国が76・7%で首位。米国(9・8%)を大きく引き離した。「政治的に影響力がある国」でも中国が54・4%で1位となった。

一方、南シナ海での覇権的な海洋進出を踏まえ、中国は「東南アジアを勢力圏にしようとしている」と危惧する声が4割を超え、「良心的で慈悲深い」とした回答は7%。米中対立が深まる中、「ASEANが同盟を結ぶとすればどちらか」との質問では、米国が57%で中国(43%)を上回った。

加盟国には激化する米中対立に巻き込まれたくないとの思いが漂う中、日本への期待が高い。「世界の平和、安全、繁栄のために正しいことをする」と確信する国や組織を問う項目では、日本は前年調査からポイントを減らしたが54・2%でトップ。米国(52・8%)、欧州連合(48・5%)を上回った。

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