7割接種でも「集団免疫」は困難 尾身会長

参院内閣委員会で答弁する政府・感染症対策分科会の尾身茂会長。後方は西村康稔経済再生担当相=29日午前、参院第1委員会室(春名中撮影)
参院内閣委員会で答弁する政府・感染症対策分科会の尾身茂会長。後方は西村康稔経済再生担当相=29日午前、参院第1委員会室(春名中撮影)

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は29日の参院内閣委員会の閉会中審査で、「国民の70%が(ワクチンを接種)したとしても、おそらく残りの30%がプロテクト(防護)されることにはならない」と述べ、接種が一定程度進んでも、社会全体での「集団免疫」の獲得は難しいとの認識を示した。

理由について尾身氏は、インド由来の変異株(デルタ株)の感染力の強さに言及し「30%の中で感染の伝播(でんぱ)が継続する」と指摘。さらに「海外の文献などを分析すると、ワクチンは非常に有効だが、免疫の持続期間が数カ月後くらいに減少し、また感染することがある。実際に2度接種を受けた人でも(感染)ということがある」と語った。

そのうえで「実際には70%くらいでは(集団免疫は)無理だ。では何%かというのは難しいが、接種率を上げる努力はやっていく必要がある」と述べた。

国民民主党の矢田稚子氏の質問に答えた。

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