とにかく、写真をごらんください。親でなくともほおが緩んでしまう激カワ男児、堀越勸玄(かんげん)ちゃん。歌舞伎俳優、市川海老蔵さん(38)の長男で、昨年11月、歌舞伎座(東京都中央区)で初お目見えを果たしました。人気の海老蔵さんブログにも写真が頻出する、日本一有名な2歳児です。
舞台初お目見えは、海老蔵さんの祖父、十一代目團十郎の五十年祭(没後50年)に合わせ行われました。夜の部「江戸花成田面影(えどのはななりたのおもかげ)」に、小さな小さな黒紋付袴姿で登場。お父さんに手を引かれ、花道をちょこちょこ歩く姿がかわいらしく、客席から思わず声がもれたほどです。
一連の写真は、初お目見えを前に会見した(昨年10月5日)、父子の様子。美形の両親(母はタレントの小林麻央さん)の血を受け継ぎ、生き人形のような勸玄ちゃん。それを見つめる海老蔵さんの父としての表情は、いまだかつて見たことないくらい、柔和です。得意の「にらみ」(邪気払いの効用があるとされる、にらみつける所作の一種)も勸玄ちゃんには無理でしょう。
海老蔵さんは会見で「まだ海のものとも、山のものともつきませんが、感慨深い」と述べました。平成25年2月に父、十二代目團十郎さんを失い、翌3月に勸玄ちゃんは誕生しました。祖父の50年祭に、父の生まれ変わりのような長男のお目見えができ、市川宗家四代の血脈を感じたのでしょう。
ちなみに海老蔵さん、事あるごとに祖父へのあこがれを口にしています。歌舞伎役者を本気で目指したのも16歳の時、十一代目の『切られ与三』の与三郎の映像を見たのがきっかけ。おじいさんは戦後「海老さまブーム」を巻き起こした美男で、さまざまな逸話の持ち主です。かんしゃく持ちで、いきなり舞台を休演する、業界団体である俳優協会を脱退する…など大スターのエピソードには事欠きません。
一方の海老蔵さんも、姿の美しさとスター性は抜群。型破りなところは、海老蔵さんに隔世遺伝しているのかもしれません。最近はすっかり落ち着きましたが、4年前に東京・西麻布で傷害事件に巻き込まれ、半年ほど謹慎し、舞台から離れた時期があったのは、記憶に新しいところです。
市川宗家の隔世遺伝が勸玄ちゃんにも当てはまるなら、十二代目團十郎さんの温厚篤実な性格が引き継がれることになります。会見で将来の夢を聞かれ、「王子様」とかれんに答えた勸玄ちゃん。多数のカメラに囲まれても、おびえるどころか手を振ってみせ、おっとりした大物ぶりは、やはりおじいさん譲りかもしれません。