新潟を拠点に活動するアイドルグループ「NGT48」の運営会社「AKS」(東京)が、元メンバーの山口真帆さん(23)に対する暴行容疑で逮捕(不起訴処分)された男性ファン2人を相手取り、損害賠償を求めて新潟地裁に提訴した裁判で、AKSが「事件によりNGT48の芸能活動が休止した」などとして、3000万円の損害賠償を求めていたことが5日、分かった。AKSは、公演中止や広告打ち切りによる損失、メンバーの警備対策費、事件の全容解明に当たった第三者委員会への報酬などの損害が1億円を超えると計算している。
この事件では、2人は昨年12月8日午後9時ごろ、新潟市内の山口さんの自宅マンションの玄関先で、山口さんの顔を手でつかんで押したなどとして、新潟県警に暴行容疑で逮捕された。新潟地検は同月28日、2人を不起訴処分にした。処分理由は明らかにしていない。
訴状などによると、男性ファン2人は事件直後、山口さんらに事件の経緯などを聞かれ、他のメンバーが関与していると返答。このため、グループ内の信頼関係が損なわれたり、インターネット上で他のメンバーへの嫌がらせ行為が起きるなどして、NGT48は劇場公演やツアーを中止せざるをえなくなった。このほか、NGT48が出演していた広告が打ち切られたことなどによる損失やメンバーの警備対策費、第三者委員会への報酬も発生した。
AKSはこれらの損害の総額が1億円以上にのぼると計算し、そのうちの3000万円を男性ファン2人に賠償するように求めている。
提訴は今年4月26日付。第1回口頭弁論は7月10日に開かれる予定。
山口さんは5月18日、親しいメンバー2人とともにNGT48を卒業。事件発覚後、NGT48は本格的な活動が困難になっている。