離島防衛、夜間も訓練 海保、警察、自衛隊が合同で実施

共同離島防衛訓練で海上保安庁の巡視船から飛び立つヘリコプター=5日、鹿児島・奄美大島沖(松本健吾撮影)
共同離島防衛訓練で海上保安庁の巡視船から飛び立つヘリコプター=5日、鹿児島・奄美大島沖(松本健吾撮影)

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で常態化する中国公船による領海侵入をめぐり、海上保安庁と警察、自衛隊は6日までの3日間、武器を持った外国漁民が日本の離島に不法上陸することを想定した合同訓練を鹿児島県瀬戸内町の江仁屋離(えにやばなれ)島周辺で実施した。

 政府関係者によると、合同訓練は平成28、29年に続き3度目。今年は初めて夜間にも実施し、海保の巡視船から照明弾を打ち上げたり、サーチライトを照射したりして、現有装備の能力を関係機関で共有した。日中の訓練では人員輸送にも重点が置かれ、巡視船の搭載艇と警察のヘリなどが同島への接近を繰り返した。

 尖閣諸島では、漁民に偽装した重武装集団による上陸が懸念されている。この場合、自衛隊に防衛出動が命じられる「有事」とはされず、治安維持を担う海上保安庁や警察では対処が難しい「グレーゾーン事態」となる恐れがある。

 中国の海上警備を担当する中国海警局は1日に軍最高指導機関、中央軍事委員会の指揮下にある武装警察に正式編入。軍の影響が強まるなどして海警が動きを活発化させる可能性があり、日本政府が動向を注視している。

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