日産自動車が無資格の補助検査員に新車の出荷前検査「完成検査」をさせていた問題で、日産の一部工場で9月の問題発覚後も、無資格検査を継続していたことが17日、関係者への取材で分かった。補助検査員が関わった車両は約3800台に上るが、保安基準を満たしているとして、新たなリコールは行わない。
日産は国内6カ所の全完成車工場で、資格のない補助検査員が単独で工程を担当するなどしていた。無資格検査問題は9月中旬、国土交通省の立ち入り検査で発覚。日産は同20日ごろに検査態勢を改善したとして、製造を再開していた。
関係者によると、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)では社内調査を実施した10月11日まで、補助検査員2人がステアリングを回して角度を確認する工程の一部を受け持っていた。
日産は問題について、すでに国交省に報告している。同省は10月末をめどに過去の検査状況と再発防止策を報告するよう求めており、日産は今回の問題についても対策を盛り込む。日産の広報担当は産経新聞の取材に「改善の指示が徹底されておらず、大変申し訳ない。原因の特定を進める」とコメントした。