山口県光市の母子殺害事件で死刑が確定した元少年(34)の弁護団が、橋下徹大阪市長が出演したテレビ番組で弁護団に対する懲戒請求を呼びかけたことが名誉毀損に当たるとして、橋下市長や読売テレビに損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は、弁護団側の上告を退ける決定をした。決定は26日付。弁護団側の請求を棄却した2審広島高裁判決が確定した。
問題となったのは橋下市長が政治家になる前に出演した平成19年5月放送のテレビ番組。光市事件の弁護団がそれまでから一転して殺意を否認したことについて、橋下市長が「弁護士が主張を組み立てたとしか思えない」「(弁護団を)許せないと思うなら一斉に懲戒請求してもらいたい」と視聴者に呼びかけた。
原告側は名誉毀損を主張して約1億2千万円の損害賠償などを求めて提訴したが、1審広島地裁は「弁護活動を批判するための表現で、論評の域を逸脱したものではない」と請求を棄却。2審も支持した。