産業・企業生産性向上

日本および東アジア諸国について、産業・企業の生産性とその決定要因を計測し、生産性向上政策の研究を行う。産業レベルでは、一橋大学と協力して日本と中国の産業生産性データベース(JIPおよびCIP)の更新・拡張を進めると同時に、日本の都道府県別産業生産性データベースを構築し、震災が地域経済に及ぼす影響と復興政策を分析する。企業・事業所レベルでは、内外の政府統計ミクロデータや企業財務データを活用して、企業間生産性格差の決定要因、グローバル化や需要変動が企業のパフォーマンスに及ぼす影響、サービス産業における生産性向上政策、日中韓企業間の生産性格差動向や生産性ダイナミックスの国際比較、等について研究する。
またイノベーションと生産性向上の源泉である、研究開発、ソフトウエア、企業内訓練、組織改編等の無形資産投資を、産業・企業レベルで計測しその経済効果を分析する。
プログラムの遂行にあたり、内外研究機関との連携を重視する。これにより日本と海外諸国の間での生産性とその決定要因の比較を可能にすると同時に、政府・国際機関統計の改善や内外の生産性研究に寄与する。アジア開発銀行研究所(ADBI)、ハーバード大学等と協力して、アジア諸国の産業構造と生産性を計測しこれを世界の他地域と比較するAsia KLEMSネットワークの構築を進める。また日本の産業構造データを、EUの世界産業連関表データベース(WIOD)プロジェクトやOECDに継続して提供する。この他、SNA統計と直結した生産性データベースの構築や医療・教育など非市場型サービス産業のアウトプット計測方法の開発を内閣府経済社会総合研究所の研究者と、イノベーションの源泉と効果に関する分析を文部科学省科学技術政策研究所の研究者と連携して進める。また無形資産投資の国際比較をOECD、インペリアル・カレッジ、ソウル大学等の研究者と、企業生産性水準の国際比較を北京大学、西江大学等の研究者と連携して進める。生産性水準の国際比較にあたっては、購買力平価データについて世界銀行を中心とする国際比較プログラム(ICP)の協力を得る。

プログラムディレクター

深尾 京司

深尾 京司(プログラムディレクター・ファカルティフェロー)

「産業・企業生産性向上」プログラムについて

活動中のプロジェクト

終了したプロジェクト

プログラム全体の研究成果

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