先日購入したThinkCentre M715q Tinyのように、
自作PCではなくメーカー製の法人向け小型PCというのはいくつか存在しています。
もちろん、法人向けと言っても個人で買うこともできます。
M715q Tinyのデキがよかったので、じゃあIntelプラットフォームのヤツは
どうなんだろう?ということで、hp/Dell/Lenovoがそれぞれ出している
Intelプラットフォームの小型PCを買って比べてみようと考えました。
まず最初に、2018年12月に当たったPayPayボーナスを活用して
hp製の小型PCを買ってみましたが、さてどんなもんでしょう?
[目次]
- モデル概要
- 購入した個体
- マシン構造
- hp製PCの独自機能
- 使用感
- まとめ
1.モデル概要
今回購入したのは、hp製企業向けモデルのEliteDesk 800 G4 DMというモデルです。
hpの企業向けデスクトップPCにはProDeskとEliteDeskというラインがありますが、
EliteDeskはどちらかというと上級モデルという位置づけです。
hpの企業向けデスクトップPCにはProDeskとEliteDeskというラインがありますが、
EliteDeskはどちらかというと上級モデルという位置づけです。
このモデルは1リットルサイズ(高さ177mm×奥行き175mm×幅34mm)の小さい筐体に
第8世代のCore i3/i5/i7(35Wモデル)を搭載したものです。
コンシューマー市場にはないですが、ASRock・Jupiterが比較的近いサイズと
いえるでしょうか。
DeskMini 110/310/A300と比べると高さ・奥行は約20mm程度大きく、
代わりに幅が半分未満になったと考えるといい感じです。
今回購入した個体は、以下のような構成です。
いらないものはガンガン外して最小構成に近くしましたが、
上記の構成で価格は約6.7万円と、ThinkCentre M715q Tinyよりは
さすがに高いです。この辺はIntelプラットフォームなので仕方ないところですね。
各パーツの構成は以下から選択できます。
日本では関係ないですが、海外だともう少しカスタマイズの幅があり
CPUにTDP65Wモデルが選べたり、
ビデオカードとしてRadeon RX560を内蔵できたりします。
メーカー製PCなので、普段単体で購入できないTDP35WモデルのCPUが選べるのが
自作PCに対するアドバンテージといえるでしょう。
また、EliteDeskシリーズは標準で3年間のオンサイト保守(訪問修理)がついており
サポートの受付時間も通常より5時間長かったりします。
筆者の場合、実際のところ保守についてはどうでもいいのですが
保証期間や受付時間が長いのはありがたいですね。
なお今回はビックカメラの中にあったhpの直販コーナーで注文しましたが、
hpのWeb直販(DirectPlus)と本体価格は同じでも送料(3,000円)が無料になるので
実はWebよりお得です。直販コーナーがある家電量販店があるのが
ヨドバシカメラやビックカメラの一部の店舗に限られるのが難点ですが、
覚えておいても損はありません。
長くなりましたが、本体を見ていきます。かなりメンテナンス性に優れています。
長々と見てきましたが、他に本記事で記載してない部分を箇条書きしていきます。
第8世代のCore i3/i5/i7(35Wモデル)を搭載したものです。
コンシューマー市場にはないですが、ASRock・Jupiterが比較的近いサイズと
いえるでしょうか。
DeskMini 110/310/A300と比べると高さ・奥行は約20mm程度大きく、
代わりに幅が半分未満になったと考えるといい感じです。
2.購入した個体
今回購入した個体は、以下のような構成です。
EliteDesk 800 G4 DM | |
---|---|
CPU | Core i3-8100T(4コア、3.1GHz) |
チップセット | Intel Q370 |
メモリ | DDR4-2666 SODIMM 4GB(4GB×1) |
ストレージ | 500GB HDD(WD Black) |
GPU | CPU内蔵(UHD グラフィックス 630) |
WLAN | なし |
OS | Windows 10 Home |
電源アダプター | 65W |
その他 | HDMIポート追加、スタンド付 3年翌営業日オンサイト保守+Elite Premiumサポート |
いらないものはガンガン外して最小構成に近くしましたが、
上記の構成で価格は約6.7万円と、ThinkCentre M715q Tinyよりは
さすがに高いです。この辺はIntelプラットフォームなので仕方ないところですね。
各パーツの構成は以下から選択できます。
- CPU……Core i3-8100T/i5-8500T/i5-8600T/i7-8700T
- メモリ……4/8/16/32GB
- ストレージ……500GB/1TB(HDD)、128/256/512GB(NVMe SSD,M.2)
- 無線LAN……なし/Intel Wireless-AC 9560
- 増設できる映像出力……VGA/HDMI2.0/DP1.2/Type-C(DP-Alt)
- OS……Windows 10 Home / Pro
日本では関係ないですが、海外だともう少しカスタマイズの幅があり
CPUにTDP65Wモデルが選べたり、
ビデオカードとしてRadeon RX560を内蔵できたりします。
メーカー製PCなので、普段単体で購入できないTDP35WモデルのCPUが選べるのが
自作PCに対するアドバンテージといえるでしょう。
また、EliteDeskシリーズは標準で3年間のオンサイト保守(訪問修理)がついており
サポートの受付時間も通常より5時間長かったりします。
筆者の場合、実際のところ保守についてはどうでもいいのですが
保証期間や受付時間が長いのはありがたいですね。
なお今回はビックカメラの中にあったhpの直販コーナーで注文しましたが、
hpのWeb直販(DirectPlus)と本体価格は同じでも送料(3,000円)が無料になるので
実はWebよりお得です。直販コーナーがある家電量販店があるのが
ヨドバシカメラやビックカメラの一部の店舗に限られるのが難点ですが、
覚えておいても損はありません。
3.マシン構造
長くなりましたが、本体を見ていきます。かなりメンテナンス性に優れています。
黒・シルバーのツートン。ダストフィルターはなし |
背面は黒一色。ネジは最初からハンドスクリューです |
立てても500mlペットボトル級の大きさ。 裏側にはVESAマウント金具用のねじ穴があります |
内部。ストレージは交換済みです |
2.5インチストレージはカバーを開けるだけで取れます |
CPUファン |
ファンの脱着もツールレスで一発 |
追加HDMIコネクタの基板 |
M.2は2スロット、どちらもPCIe3.0×4接続 |
システムボード表 |
システムボード裏 |
本体ベース部分 |
システムボード裏のチップセットと接触する部分。 放熱のための努力って感じ |
無線アンテナがシステムボード下を通っています |
そのアンテナの1つは正面側へ |
もう一つは裏側のカバーに隠れています |
CPUクーラーとヒートシンク |
裏面には電源部分との接触箇所も |
実はdGPUも追加できる(日本では選べません) |
長々と見てきましたが、他に本記事で記載してない部分を箇条書きしていきます。
- USB3.1(Gen1/Gen2)の豊富さ…合計7ポート(Gen1が3、Gen2が4)もあり、
hp/Dell/Lenovoの同等グレードな小型PCの中では最も多いです。
これはZ370/390 DeskMini GTXより多く、
当然DeskMini 110/310/A300よりも圧倒的です。 - 増設できるHDMIポートはバージョン2.0で、
この辺りはThinkCentre M715q Tinyより優れているといえます。
Intel SGXも設定可能なので、まだ試していませんが
UHD BDの鑑賞も可能でしょう。
もちろん、既存のDP×2とHDMIも使って3画面同時出力できます。 - hpならではですが、パーツ固定のためトルクスねじが使われています
(同社製PCの特徴です)。T15サイズで統一されています。 - 2.5インチストレージやファン交換はツールレスで容易。
HDD/SSDは専用ねじを取り付けてガイドに通すだけで、
ねじも基本的には手で回せます(最初だけドライバーが欲しい)。 - 2.5インチストレージの下に、M.2スロットが2つもあります。
あまりスペースに余裕がないですし、
発熱を考えるとSSDを入れないほうがいいかもしれませんね。
4.hp製PCの独自機能
hp製PCの特徴として、特にセキュリティ面に配慮した機能が多くあります。
以下に箇条書きします。
機能名 | 概要 |
---|---|
HP Sure Start Gen 4 | 起動時にBIOSを監視し、改ざんがある場合復元する |
HP Sure Run | Windowsのセキュリティ対策ソフトが 万が一無効化された場合、自動で再起動する |
HP Sure Click | 特定のブラウザ・アプリをマイクロVM内で実行する |
HP Sure Recover | OSが起動できなくなった場合、hpのサーバーか 任意の場所からイメージを読み込んで復元する |
この中で面白いと思ったのは、HP Sure Recoverです。
要するにmacOSのインターネット経由での復元みたいな機能ですが、
他のメーカーにはないユニークなものです。
OSが起動しない場合、この機能が動くとhpのサーバーからリカバリ環境用の
Windows PEを読み込んできて起動し、そのあとにWindowsの
イメージを読み込んでくる仕組みになっています。
どこからイメージを読んでくるかは、専用のアプリケーションで設定します。
とはいえ日本語の資料も少なく、さらに実際に試してみたら
毎回Windowsのイメージ読み込みの時点でエラーが出てしまい、
うまくいきませんでした。
ちゃんと動いたっつー方はお知らせください、マジで。
hpのつよつよパココンに用意されてるSure Recoverという仕組み(OSが起動できない場合はhpや任意のサーバーからリカバリイメージを持ってきて復旧するやつ)を試している。わざとストレージの中身を空にして起動すると発動し、操作すると本当にhpのサーバーからデータを取ってき始めた。 pic.twitter.com/AswC495MdU— のらねこ! (@ragemax) 2019年1月24日
さすがに交換してる中身空っぽのSSDではダメなのか、リカバリプログラムは走ったけど戻すべきものが判断できないのかエラーになってしまった pic.twitter.com/sf91Or678o— のらねこ! (@ragemax) 2019年1月24日
hp Sure Recoverの設定、どうもhp Client Security Managerとhp Sure Recoverのアプリ(Client Security Managerのオプション扱い)をそれぞれインストールすれば設定できそうなのがわかった pic.twitter.com/0BxWq3VzIt— のらねこ! (@ragemax) 2019年1月24日
5.使用感
いつものような感じですが、箇条書きします。
購入して即ストレージを入れ替え、Windows 10 Proをクリーンインストールしたので
プリインストールの環境については触れていません。
- 電源オンからの起動はちょっと遅めです。これは先に書いた
hpのBIOS監視機能などが関係しているかもしれない。 - BIOSはWeb経由でも更新できます。この辺は自作PCライクですね。
設定項目はいろいろですが、いかにもメーカー製PCのBIOS項目という感じの
『メモリやストレージが変わっていたら通知を出す』ってがあります。
家では無効にしたほうがいいでしょう。 - ファン動作モードの設定項目はありませんが、通常使用なら
動作音はほとんど気になりません。 - CPU温度もだいたい5~60度代で安定しています(室温20℃時)。
- ACアダプターは65W、ミッキータイプのケーブルです。
小型ですがプラグが7.4mm×5.0mmの特殊なやつなので、一般的な
アダプターと使いまわしできないのが悲しい。 - レノボと同じで、保守マニュアルが普通に公開されています。
英語だけですけど分解するのに役立ちますね。
http://h10032.www1.hp.com/ctg/Manual/c06063157
6.まとめ
この手の小型PCは、最近のモデルならなんでも普通に使える性能を持ってますが
USBポートが多く利便性に優れ、保守サポートも手厚い本機は
単なるビジネス使用だけでなく、自宅でもリビング設置用とかサブ機として
十分活躍できるでしょう。
メンテナンス性も高く、オタクの皆さんがおもちゃにするのも楽だと思います。
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