媚びないボール型
まあるい明かりがじんわりと空間を照らす、ガラスボールのペンダントライト。ボール型のペンダントライトはよく目にしますが、「ガラスボール照明」には独特の存在感があります。
というのも、元はと言えば、昭和の時代に工場や作業場などで使われることを想定してつくられた照明。オシャレを目指したものとは一線を画す、実直なデザインが魅力です。
昔からあるベーシックなデザインが、現代のリノベーション空間によく似合うんです。
昭和生まれの安定感
ボール型のペンダント照明は大きさや素材もさまざまなものがありますが、「ガラスボール照明」は、ずっしりとしたガラスボールをベースががっしりと支える形。
ガラスボールは直径18cmと少し大きめで、重さ約1kg。特徴的な見た目のベースは、重ためのボールをしっかりと支える安定感があります。
すっきりとした見た目を求めると、限りなくベースを小さくしたミニマムな姿になってしまうと思うのですが、この一見余計とも思える高さのあるベース部分が、灯体のバランスを整えつつ、照明と空間をつないでくれる重要な要素なんです。
高いところから
安定感のある灯体は、高さのある空間で特に絵になります。
コードの長さが1mを基準として最大4mまでオーダーできます。吹き抜けや階段、勾配天井など、天井の高さを活かして演出してみてください。
天井高4mの階段に採用した事例では、真下に垂れるコードと、ブラックのベース部分が余白が多い空間のアクセントに。ぽてっとしたベースが、空間にさらに丸みを持たせ、優しく広がる光といいバランスです。
広い空間でも印象に残る存在感は、勾配天井のリビングで複数使いするのもおすすめ。長めのコードでも、ベース部分がバランスをとってくれます。
ボールの光り方
分厚めのガラスボールはクリアと乳白の2種類。好みに合わせてお選びください。
クリアガラスは、すっきりとした印象。電球が見えるので、『白熱アート電球』『耐震電球』などフィラメントが特徴的な電球を合わせると、光をアートのように楽しめます。
乳白ガラスは、ぽってりとまろやか。オレンジ色の電球を合わせるとクラシカルな印象に。寝室など光源が目に入らない方が良いシーンにもおすすめです。
この「ガラスボール照明」は、2012年からtoolboxで取り扱っていたシリーズ。実は製造元の事業撤退により、2022年から一時販売終了していたのですが、販売を続けてもらえないかという声が多く寄せられ、復刻に至りました。
できるだけ原型に忠実に、コードの長さ調整を可能にするなど、ほんの少しの改良を加えて製造しています。詳細はこちらのコラムからどうぞ。
余計なものを削ぎ落としたデザインが多い昨今。「ガラスボール照明」は、昔からあったデザインではありながらも、もうそう簡単には生まれなさそうな、この時代に残されたボール型ペンダントライトの形です。