CP速報
2024年12月CPは635ドルで11月比横ばい
11月28日に12月のアラムコCPが発表されました。11月と同じ635ドル。11月のMB平均値は、10月の406ドルから13ドル上げて419ドルでした。
12月のCPは、極東アジアの寒波による需要増の見込を、25年の供給過剰予測が打ち消し11月と同水準
【原油市況】国際エネルギー機関(IEA)が来年の原油過剰供給を予測
世界屈指の金融テクノロジー企業であるブルームバーグの記事によると、国際エネルギー機関(IEA)は、2025年は世界の原油供給が過剰になるとの見方をしています。
その主な要因は、中国の経済低迷です。
中国は、過去20年に渡って世界経済を牽引してきました。しかし、その中国における原油の消費量が今年の4月から9月まで6カ月連続で減少しています。
また、中国の需要低迷が長期に渡っているために、イスラエルとイラン間で緊張感が続いているにも関わらず、原油価格が10月前半から11%下落していると述べています。
さらに、米国でトランプ氏が1月に大統領へ就任すれば、米国は原油を増産してエネルギー価格を引き下げるのではないかという情報もあります。そうなれば、原油の世界的な供給過剰感はより拍車がかかり、プロパンガスの価格低化にも期待がかかります。
【LPガス市況】極東アジアに寒波襲来で需要増か?
11月27日(水)韓国で117年ぶりの大雪が降ったそうです。
韓国北部の原州(ウォンジュ)では、雪の凍結が原因と見られる43台の玉突き事故が発生したとのニュースもありましたので、TVなどでご存知の方もいるかと思います。ソウルでも積雪が20センチにも達し、大雪警報が発令されたようです。
寒波は中国でも猛威を振るっていて、プロパンガス需要が増えると見込まれています。ただ、原油価格そのものが供給過剰感から軟化しているので、現状ではCP高騰には繋がらないのではと思われます。
【米国MB市況】
11月のMB(モンテベルビュー)平均値は、10月の406ドルから13ドル上げて419ドルでした。
米国市場のプロパンガスは供給は潤沢なものの、冬の需要期を迎えて在庫の取り崩しが始まり、天然ガスの急騰と相まっての上昇になったようです。
プロパンガスの料金はCPとMBに連動します
従来は、プロパンガスの料金はCPに100%連動していましたが、2017年からはCPに加えてMBに連動するようになりました。2019年4月現在のそれぞれの比率は、概ねCPが70%でMBが30%です。
ただし、この比率は元売り会社(プロパンガスを海外からタンカーなどで輸入し、卸業者に販売する会社。アストモスエネルギー、エネオス、ジクシスなどがある)の方針で若干異なります。
CPとは
CP(Contract Price)とは、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ社が決める通告価格です。CP(≒FOB)は輸出国の港で渡される価格で、$/t(トンあたりのドル建て)という単位で取引されています。CPには日本までのタンカー運賃と保険料などは含まれていません。
MBとは
MB(Mont Bellevue)とは、米国テキサス州モントベルビュー市にあるプロパンガス基地における取引価格です。
米国全土で生産されたプロパンガスの原料はモントベルビューに集められて精製されるので、モントベルビューでの取引価格が世界三大指標の一つになっています。CPは月単位での価格ですが、MBは毎日取引されているので前月の平均値が確定値として利用されています。
この記事の執筆者
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会
代表理事 鈴木 秀男
- 2010年10月 一般社団法人プロパンガス料金消費者協会を設立。代表理事に就任。
1980年広告代理店勤務を経て、東芝パソコンシステム(旧:ソード電算機システム)に入社。営業推進部部長として勤務する傍ら、1990年より世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」のニューヨーク本部公認トレーナーとしてセールスパーソンの教育に20年間従事。官公庁や大手企業を中心に約3千人を指導。また、ヤフージャパンで4年間広報宣伝ディレクターを兼務した。