阪急阪神百貨店 岡山県・蒜山高原のブランディング

阪急阪神百貨店は岡山県真庭市と共創し、「人と自然が共生する洗練されたライフスタイル」を広げる活動を「GREENable(グリーナブル)」としてブランド化。隈研吾氏設計監修のリユース建築物GREENable HIRUZENを舞台に、地方創生のブランディング活動を進めている。

聞き手 : 小宮 信彦 事業構想大学院大学 特任教授、電通 ソリューション・デザイン局 シニア・イノベーション・ディレクター

百貨店の売場のセオリー活用
蒜山高原の地域振興目指す

小宮 「GREENable」が誕生した経緯についてお聞かせください。

前田 家族旅行で訪れた蒜山高原の緩やかな自然景観が、かつて勤務していたイギリスの景色と重なりました。駐在時に環境保護団体のナショナルトラストとの協業に従事していたのですが、日本でもそうした活動をいつか始めたいという思いもその時に呼び覚まされました。そこで訪れたハーブガーデンの施設長さんとの縁で出会ったのが真庭市役所の通称「草原博士」で、その方がナショナルトラストへの造詣も深く話がはずみました。

阪急阪神百貨店の前田陽一郎氏。座学だけでなく、百貨店バイヤーとしての「実戦経験」を強みとして地域との共創を推進する

真庭市は良質な木材の産地です。2019~2020年にかけて、新しい木質建材・直交集成板(CLT)の魅力を伝えるため東京・晴海で開催された「CLT晴海プロジェクト」において、建築家の隈研吾氏が設計監修した木造パビリオンにCLTを提供していました。終了後、CLT建築のリユースを実現するため、パビリオンを真庭市に移築するプロジェクトが計画されました。リユースはリサイクルよりもさらに温室効果ガス削減の効果が大きいのですが、CLT建築のリユースは実績が少なく、ノウハウを蓄積する上でも重要なプロジェクトでした。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り75%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。