パテントスコアのすべてがわかる!Q&A PATENT SCORE Q&A
Q1パテントスコアは公開されたばかりの特許にも付与されますか?
A1.はい。パテントスコアは「生存」している全ての特許に付与されます。
弊社では、以下の3つの状態の特許を「有効特許」と位置付け、スコアを付与しています。
- 権利継続:登録され、失効していない特許
- 審査中 :審査段階まで進んでいるが、まだ登録されていない特許
- 出願のみ:公開されたが、まだ審査請求がされていない特許
したがって、公開されたばかりの新しい特許にもスコアが付いています。
Q2審査経過情報は色々な種類がありますが、配点は変えているのでしょうか?
A2.はい。維持率との相関を基に変えています。
重要な特許は長く維持される傾向があるため、維持率と重要性は関連していると考えられます。
付いている審査経過情報ごとに特許をまとめ、維持率を見る事により、審査経過情報と維持率の関係を表せます(下図)。
このグラフを基に、高維持率の審査経過情報を高得点とし、配点を変えています。
Q3分野や年によって、審査経過情報の出現率は変わるのでは?
A3.はい。したがって、分野および出願年で特許を区切り、その中で相対評価をしています。
パテントスコアの大きな特徴として「精緻なロジック」が挙げられます。
筆頭IPCごとに特許を整理し、その上でさらに出願年ごとに区切り、それぞれの中で各審査経過情報の出現率を求めています(下図)。
これにより、以下のメリットが得られます。
- 分野ごとの違いを解消
- 分野により審査経過情報の出現頻度は変わりますが、特に引用件数は、参入企業が多いほど増える傾向があります。
分野ごとに相対評価をする事で、参入企業数など、技術の質とは無関係な部分にスコアが左右されず、同条件で技術力の比較ができます。
なおIPCの階層は、統計処理として適切な件数になるよう、自動調整を行っています。 - 古い特許が高得点、とならない。
- 引用情報などの履歴を用いたスコアリングの場合、公開されてからの期間が長い特許ほど履歴が付く機会が増えます。
すると多くの場合、古い特許ほど高得点となる傾向があり、新しい特許が正当な評価を得られません。
パテントスコアは出願年で区切って算出するので、新しい特許同士、古い特許同士で、それぞれ相対評価を行います。
これにより「古い特許が不当に高い評価になる」事がない、フェアなスコアリングとなります。
Q4パテントスコアの信頼性、妥当性はどのくらいありますか?
A4.人の目による技術評価と約70%一致しています。
ある大手電機メーカー様との共同研究により、人の目による評価とパテントスコアの一致率を求めました。
その結果、約70%の特許が「いずれも高評価」「いずれも中評価」「いずれも低評価」となり、概ね一致する事が分かりました(下図)。
大手ゼネコン企業様とも同様の調査を実施し、こちらも約70%の一致が見られました。
Q5パテントスコア評価と人による評価が食い違う特許は、どう捉えれば良いですか?
A5.「宝の持ち腐れ特許」または「.他社が気付いていない重要特許」の可能性があります。
パテントスコア(客観評価)と人の目による評価(主観評価)の2軸を用いると、特許は4領域に分けられます(下図)。
このうち「客観評価と主観評価が食い違う」領域は以下の2つとなります。
- スコアは低いが、社内評価は高いブルーオーシャンの可能性
- いかに重要な技術であっても、重要性に気付かれなければ、パテントスコアは上昇しません。
例としては、ブルーオーシャン(他社が手を付けていない分野)の特許が挙げられます。
こうした状況を確認する事で、他社の参入や侵害を受ける前に、自社で特許網を築くチャンスが生まれます。
「重要特許の周辺技術を押さえる」「関連出願を積極的に行う」といった、知財戦略を立てることができます。 - スコアは高いが、社内評価は低い宝の持ち腐れ特許
- 「自社での活用は進んでいないが、第三者から見て魅力的な特許」となるので、
「良い技術だが、生かし切れていない特許」と言えます。
こうした技術は、「欲しがっている他社にライセンスアウトする」「新規事業のタネにする」など、活用を進めると良いでしょう。
Q6スコアは変化するのでしょうか?
A6.はい。データ更新のたびに変動が発生します。
新しい審査経過情報が付くと、パテントスコアは変動します。
公開されたばかりの特許はスコアが低い事が多いですが、概ね、すぐに上昇する傾向にあります(下図)。
その後失効するまでの間については、上昇する特許もあれば、横這いのもの、下降するものなど、様々に分かれます。
日本版スコアは週に1度、米国・欧州・中国スコアは月に1度、更新しています。
Q7パテントスコアはどのような分布をしていますか?
A7.正規分布を示しています。
パテントスコアは偏差値化をしており、ボリューム層である中評価を中心に、高評価・低評価になるほど件数が少なくなります。
スコアの分布は下図をご参照ください。
Q8パテントスコアのカスタマイズはできますか?
A8.客観性担保のため、対応しておりません。
パテントスコアは特許の指標として多くのお客様にご活用頂いており、
特に「客観的な指標である点」を重視頂いているケースが多くを占めております。
しかしカスタマイズ可能になると、根幹である客観性が損なわれてしまうため、弊社ではこのような機能を実装しておりません。
特定の審査経過情報を重視し、スコアをカスタマイズされたい場合につきましては、
- パテントスコアをご購入いただき、
- スコアデータと同封されている審査経過情報に対し、
- 任意の係数などを設け、スコアを加工する
という形で、カスタマイズは可能でございます。