【動画のミカタ】なぜ? 「福岡のド田舎保育士」に100万人超フォロワー 絢乃唯那さん「ギャップだらけ」の素顔~前編
【記者がラジオで解説しました】
【FM福岡の「あな特GOW!!支局」で記者が記事を解説(11月15日放送)】
動画投稿アプリTikTok(ティックトック)とインスタグラム、ツイッターの総フォロワー数が100万人を突破した絢乃唯那(あやの・ゆいな)さん(26)。「福岡のド田舎保育士」を名乗り、TikTokでは“仕事着”であるエプロン姿での「保育士あるある」や、のどかな風景の中で披露するダンス動画が人気です。一体どんな女性なのでしょう。実際に会ってみると、驚きの素顔が見えてきました。(松元茜)
福岡市・天神の西日本新聞社に現れた絢乃さんは、すらりとしたモデルさん体形。直前には路上で若い女性に「絢乃さんですよね」と声を掛けられ、一緒に写真を撮ったとか。若者にはかなり浸透しているようです。
この日は、福岡県内のとある地域の自宅から、公共交通機関で天神へ。ツイッターのプロフィルには「福岡の山奥ぽつんと一軒家」なんて書いてありますけど、さすがにちょっと大げさじゃないですか?
するとスマートフォンを取り出した絢乃さん。
「見てください! グーグルマップで家の住所を表示すると、本当に林の中なんですよ」
確かに! 空撮のピンが示す場所は、うっそうとした茂みになっていて隣家も見当たりません。
「最寄りの駅は車で30分、隣の家までは歩いて10分くらいかかりますね。雨の日は携帯の電波が届きにくくて、交流サイト(SNS)の投稿ができずにコンビニまで行ったりしています」
2人の姉が家を出た後も、祖父母、両親と実家で生活。SNSによるとテレビ出演やモデルの仕事もしているそうですが、現役の保育士なのですか?
「週に4、5日、保育園で働いていますよ。自分も通った地元の園で、6年目になります。テレビなどのお仕事は休みの日にしているんです」
2019年に天神でスカウトされて九州最大級のファッションショー「福岡アジアコレクション(FACo)」に出演。それがきっかけで、テレビやラジオに出演したり、モデルの仕事をしたりするようになったそうです。
取材したのは間近に迫った運動会の準備に追われていた時期。保育園では5歳児の担当で、本業が多忙な時期はSNSの更新がなかなかできないと話してくれました。
でも、どうして福岡の一保育士さんにこんなに多くのフォロワーがついたのでしょうか。
「初めてTikTokに投稿したのは2年前の冬です。家の前の田んぼで、すっぴんにジャージー姿で踊っただけなのですが、偶然『おすすめ』に採用されてたくさんの人に見てもらえて、1日で100万回再生されたんです」
初日に3万人のフォロワーがつき、そこから、保育士の仕事や恋愛に関する「あるあるネタ」動画などを次々投稿。約2年でTikTokのフォロワーは80万人になりました。モデルの仕事で撮影した写真を中心にアップするインスタグラム、近況を報告するツイッターも合わせると、総フォロワー数は100万人を超えています。
「自分が見ていたテレビ番組に出演させてもらったり、有名なブランドと仕事をしたり。生まれてからずっと地元にいますが、世界が広がりました。今の時代だからこそできることだと感じています」
保育士として発信することの意義はどんなところにあるのでしょうか。
「同じ保育士さんから共感の声がよく届きます。仕事の休憩時間に同僚の先生と共有して『同じだね』と安心することもあります」
これまで特に反響があった動画は、分厚くて難しそうな本を「読んで」と持ってきた男の子にキュンとしたエピソード。
「自分だけかと思っていたことを同業の方に共感してもらってうれしかったです」
保育士になるか迷っているという専門学校生からもメッセージがよく寄せられ「保育士は確かに大変だけど、仕事内容や楽しさについて教えてあげている」そうです。
「この仕事が大好き。でも、自分の園も含めて保育士の数は足りないんです。もっと増やせたらという思いで発信を続けています」と笑顔を見せました。
TikTokの動画はこちら
とはいえ、驚きの素顔はこれだけではありません。11月1日公開予定の中編では、TikTokの動画撮影にまつわる秘密を話してもらいます。