かつてのライバルへの対抗心というものは、簡単には消えないのだろう。

 リバプールのユルゲン・クロップ監督(48)が「ギャハハハ!」と、少々品のない大声で爆笑した。3-0で完勝した2日のマンチェスターC戦後。インタビューを受けている時のことだった。

 リバプールはマンC戦勝利で、勝ち点を41に伸ばした。欧州チャンピオンズリーグ予選出場権のある4位マンCとの勝ち点差は6に縮まった。だが大爆笑の要因はそれではなかった。

 インタビュアーから「今夜の結果で、上位陣との差も縮まりました。次の目標は?」と聞かれると同監督はしばらく考えてから答えた。


 クロップ監督 まだ、他会場の試合結果は聞いていないから、今(順位が)どうなっているのか分からない。あっ、でも(ブンデスリーガで)バイエルンが負けたことは聞いたよ。ギャハハハ! 相手はマインツ。僕の昔のチームだよ。ギャハハハ。

 ブンデスリーガで首位を走るBミュンヘンは、リバプールがマンCを下した約1時間前に、マインツに1-2で敗れていた。

 現役時代にプレーし、監督も務めたマインツが宿敵Bミュンヘンを下し、香川真司ら教え子たちが頑張っている2位ドルトムントとの勝ち点差が5に縮まったのだから、クロップ監督の笑いは止まらない。

 この様子はすぐさまインターネットのスポーツサイトで拡散し、「自分の試合よりも、バイエルンが負けた方がうれしいんじゃないか?」などといった声も集まっている。

 来季からはそのBミュンヘンのグアルディオラ監督がマンCへとやってくる。リバプールとマンCの間で、新たな火花が散るのは間違いない。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)