「投高打低」球団別に見てると…パ2球団が明暗/調査報道2024〈5〉

近年、日本プロ野球は急速な「投高打低」が続いている。昨季、両リーグで規定打席に届いた打者のうち、打率3割を超えた選手は3人しかおらず、日本人はソフトバンク近藤だけ。一方、防御率1点台で規定投球回に達した投手は6人もいる。西武時代の松坂大輔氏の最高防御率が2・13(06年)だったことを考えれば、どれだけ異常な現象が続いているか、分かってもらえるだろう。打者の長打率は下がり続け、投手の球速は上がり続けている。「投高打低」の原因はなんなのか? 今後も続くのか? さまざまな角度から分析し、「投高打低の真実」として、6回連載で検証してみよう。

プロ野球

平均本塁打数が落ち続けるDeNA

ここまでで「投高打低」の原因は、投手のレベルが上がったのに対し、打者のレベルアップが進んでいないからだと推測してきた。

そこで今回は、球団別に「投高打低」がどうなのかを見てみよう。1試合平均の本塁打数とOPS(出塁率+長打率)を、低迷が始まった19年から球団別に比べる。

凋落著しい西武と特筆すべきハム

球団によって本拠地球場の広さが違い、他球団と比較することは難しいが、年別で項目を比べることはできる。

本文残り74% (832文字/1124文字)

プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。