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シニア向けEC「ハルメク」のお客様に寄り添う改善施策
(ネットショップ担当者フォーラム2024秋登壇レポート)

2024年11月20日、株式会社インプレス主催のイベント「ネットショップ担当者フォーラム2024秋」に、株式会社ハルメク 物販ビジネスユニット チャネル統括部 デジタルメディア課 課長 冨谷 直輝氏をゲストにお迎えし、ナビプラス株式会社代表取締役社長の清水が登壇しました。

当日は、シニア向けECサイトにおける改善施策と成功のポイントについて、具体的な取り組みや成果が共有されました。本レポートでは、ハルメク様との対談セッションの一部をお届けします。

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シニア女性に特化した圧倒的な顧客基盤を持つハルメク

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左:株式会社ハルメク 物販ビジネスユニット チャネル統括部 デジタルメディア課 課長 冨谷 直輝氏
右:ナビプラス株式会社代表取締役社長 清水


清水ーーー本日はよろしくお願いします。さっそくですが、ハルメクについてご紹介をお願いします。

冨谷ーーーハルメクは、主に50代以上の女性がより充実した生活を送れるよう応援するため、さまざまなビジネスを展開しています。実は、世の中で最も売れている女性誌「ハルメク」を発行しており、この雑誌は書店では販売せず、お客様のご自宅に直接お届けしています。この仕組みにより、精度の高い顧客データを直接取得することが可能になっています。さらに、顧客と直接的なつながりを持つことで、雑誌以外のビジネス展開も可能になっています。これが、当社の大きな強みです。

国内初のシニア女性向けコミュニティプラットフォーム「ハルメク365」の運営や、YouTube ハルメクチャンネルなどオンラインだけではなく、年間215本のイベントなどリアルでもシニアと繋がるコンテンツを通してお客様との関係を構築しています。

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シニアに寄り添うECサイトの設計思想

2020年に行ったリニューアルの改善ポイント

清水ーーーメディアやコミュニティなど、ロイヤルティを高めてECサイト商品の購入へ誘導していくという流れをつくられていますね。2020年にECサイトをリニューアルをされていますが、リニューアルのポイントについてお聞かせください。

冨谷ーーー2018年頃のEC比率は約10%程度でした。当時はセキュリティを重視するあまり、ユーザーに何度もパスワードの入力を求める設計となっていました。しかし、シニア層のEC利用が増加する中で、よりシニアの女性が使いやすいサイト設計への転換が必要だと判断し、2020年に大きなリニューアルを行いました。

 

 

リニューアルの改善ポイント

・文字の太さや背景色の最適化によるシニア層への配慮
・スマホファーストの設計への移行
・在庫状況やポイント還元などの視覚的な表示方法の採用
・直感的な操作性を重視したカート機能の実装
・レコメンドによる回遊性と購買意欲の向上

 

清水ーーーシニア女性でも、スマホサイトを使われているのでしょうか?

冨谷ーーーリニューアル当初はまだPCが多かったのですが、現在ではスマホ経由の利用が2/3以上となっていますので、何か施策をする際はスマホファーストで進めています。

 

NaviPlusサーチを導入し、ユーザーニーズに沿った検索を実装

清水ーーーまずお客様がサイトに訪問したあと、商品を探す場合にサイト内検索をお使いになりますが、ここではお客様のニーズに応える細やかな対応が施されていますね。

冨谷ーーー当社はファッション以外にもコスメやインナー、健康食品なども扱っております。人気順(売上順)に商品を並べるのをスタンダードとしつつも、ファッションカテゴリーでは新着順を採用しています。ファッションは毎月新着の商品が発売されるためです。

清水ーーーハルメク様には、弊社のレコメンドも導入いただいていますので、レコメンドで蓄積しているデータをサイト内検索のほうにも活用させていただいております。ユーザーの行動履歴という大量のデータを活用することで、お客様にとってよりよいサイトになっているのではないかと思っております。


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清水ーーーサイト内検索はチューニングによる最適な並びも重要になってきますね。

冨谷ーーーそうですね。例えば、以前は「靴下」と検索した場合、「ソックス」が出なかったり、「靴下」を含む靴や下着など別の商品が上位表示されて最適化された並びになっていませんでした。NaviPlusサーチを導入後は、ナビプラスさんと相談しながらスコアリングを調整し、最適化するようにしています。現在は、月に1回ほど定例会を設け、レポートをもとに対応をしている状況です。

<チューニングによる検索結果最適化の例>
・検索キーワードと検索一覧の商品の並びは、スコアリングで最適化
・同義語登録 (例)スカーフ⇔ストール
・人気キーワード、0件ヒットの定期的な確認&メンテナンス

 

さまざまなページにレコメンドを導入し、回遊の導線を強化

清水ーーー検索の次にユーザーは商品詳細ページへと遷移します。商品詳細ページには、弊社のレコメンドを入れていただいておりますが、レコメンドに求める役割についてお聞かせください。

冨谷ーーー当社はカタログ通販がメインですので、現在でも毎月送られる「ハルメク おしゃれ」「ハルメク 健康と暮らし」などのカタログを見てECサイトに来てご注文される方が多くいらっしゃいます。あらかじめカタログで購入される商品を決めている、いわゆる「指名買い」であっても、商品詳細ページに訪問された際に関連する商品や売れ筋商品を見ていただくことによってクロスセルを図っていきたいという狙いがあります。それを期待してレコメンドを導入しています。

 

■商品詳細ページ×レコメンド
・この商品と一緒に見られている商品
・この商品と同じカテゴリの売れ筋ランキング

カートページ×レコメンド
・人気のついで買い商品(2,000円以下の商品)

マイページ×レコメンド
・あなたにおすすめの商品(閲覧、または購入商品を基にオススメ)


冨谷ーーーレコメンドを利用者は非利用者と比較し、平均購入単価が約1.27倍。またサイト全体のレコメンド直接利用者のCVRも高い数値が出ています。(2024年4月〜10月)

清水ーーーレコメンドで他の商品も見ていただくことで単価の上昇など、しっかりと効果につながっているのだと思っています。

 

 

視認性を高めるデザインでお買い物をしやすく

清水ーーー商品詳細やカートでは、セット購入を促す表示などもされていますね。

冨谷ーーーはい。「得メク」という3つ購入いただくと割引きになる商品があるのですが、お得になる価格やポイントの表示をするように設計をしています。 リニューアル前は、色とサイズ別の在庫表示をプルダウンで選ぶ必要がありましたが、リニューアル後はアイコンで直感的に一覧で確認できるようにしました。

 

 

パートナーとしてのナビプラス

清水ーーーナビプラスのサービスは2018年より導入いただいており、リニューアル後も引き続き継続してご利用いただいております。ご継続いただいている理由などについてご説明いただけますか?

冨谷ーーー3つのポイントについてお話しさせていただきます。

1. ROI (投資対効果)
- 最小限のメンテナンスコスト
- 運用工数の削減

2.機能の適合性
- ひと通りの機能を実装できている
- ハルメクの要望をくみ取った設計ができている

3. サポート体制
- 月1回の定例会による継続的な改善
- 迅速なレスポンス

清水ーーーありがとうございます。我々はテックカンパニーではありますが、サービスを提供して終わりではなく、引き続きさまざまな変化にご一緒に対応していくということを大切にしていきたいと思います。

 

 

今後の展望:カタログ通販の未来

清水ーーー最後に、冨谷さんから今後の展望についてお聞かせいただけますか?

冨谷ーーー現在カタログ通販は厳しい状況に直面しています。70代以上が主要顧客層である現状から、プレシニア層への展開を図るとともに、カタログ通販だけに依存しないビジネスモデルの構築が必要だと感じています。そのためには、店舗の出店、新規商品の開発、通販以外のチャネル開拓などを今後強化していきたいと思います。

清水ーーー本日は、ありがとうございました。

 

 

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