レコメンドエンジンとは?ECサイトの鉄板施策「レコメンド」を解説
インターネットで買い物をしていると、「こちらの商品もおすすめです」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった表示をよく見かけると思います。これらは、「レコメンド」と呼ばれ、昨今、ECサイトでの「買い物しやすさ」を向上させる「鉄板施策」として普及が進んでいます。
レコメンドを利用すれば、顧客の行動履歴などに応じて購買に繋がりやすい商品を365日24時間、ECサイト内の販売員として紹介してくれます。ECサイトの売上アップはもちろん、閲覧数を増やし、ユーザーが求めている商品探しの手助けをしてくれます。
今回は、レコメンドの概念やその仕組み、レコメンドサービスの応用や導入にあたっての注意点についてご紹介していきます。
レコメンド(recommend)とは?
レコメンドには、「~をおすすめする・~を推薦する・~を紹介する」という意味があり、動的表現としては「レコメンドする」といった形で使用します。なおIT業界では、レコメンドは、「顧客の考えや行動履歴を分析し、分析データに応じて各々の顧客に興味や関心がありそうな商品情報を事前に予測・判断したえうで、その内容をユーザーに提供するサービス」を表す言葉として使われています。
レコメンドのことを「リコメンド」と呼ぶこともありますが、これは英語に近づけた発音方法で、意味は同じです。
ECサイト以外でもレコメンドを活用
ECサイト以外にも、レコメンドを活用することで、サイトの利用価値を向上させることができます。例えば、求人情報サイトにおける求人情報や、不動産情報サイトにおける不動産物件情報などにおいても、レコメンドは効果を発揮します。レコメンドにより、顧客にとって情報収集がはかどるサイト、使いやすいサイトにすることで、サイトへのエンゲージメントが高まり、ビジネスへの貢献につなげることが期待できます。
レコメンドサービスの仕組み
ECサイトにレコメンド機能を実装し、売上を伸ばしていくには、顧客の行動履歴や管理者の意図に応じて、購買に繋がりやすい商品を表示する必要があります。では、どのような仕組みでレコメンドするアイテム(商品)が決まるのでしょうか。ここで、レコメンドサービスを支える代表的な仕組みについてご説明します。
協調フィルタリング(行動履歴分析)
協調フィルタリングとは、顧客が商品を見た、あるいは買った、といった行動履歴をベースに、アイテム同士の関連性を計算・分析し、「こちらの商品を買った方は、こちらの関連商品も購入しています」といった表示をするレコメンド方法です。
たとえば、「パソコンを買う人は、キーボードも一緒に購入する」や、「ピーナッツを買う人は、アーモンドも一緒に購入する」など、別の顧客の過去の行動履歴からおすすめする商品が決まります。
協調フィルタリングは、レコメンドの代表的な仕組みで、一般的に効果も高いとされ、多くのECサイトで利用されています。
ただし、行動履歴情報がある程度蓄積されるまで、適切なおすすめアイテムを分析できないという欠点があるため、新着商品などのレコメンドには注意が必要となります。
テキストマイニング(アイテム情報分析)
アイテムの持っているテキスト情報(商品名、商品の説明など)を解析し、関連性の高いアイテムをおすすめする方法です。
たとえば、「ウールジャケット」というアイテムに対し、「ウールマフラー」「ウールコート」「テーラードジャケット」などのアイテムがおすすめされます。
協調フィルタリングと異なり行動履歴情報の蓄積を待つ必要がないため、新着商品についても即レコメンド提示が可能です。
ハイブリッドレコメンド
ハイブリッドレコメンドとは、複数のレコメンド方法を使って、より高度なレコメンドを実現する仕組みです。代表的なものに、協調フィルタリングとテキストマイニングのハイブリッドレコメンドが挙げられます。
たとえば、定番商品に対するレコメンドには、協調フィルタリングを利用します。一方で、新着商品に対しては、テキストマイニングを利用しておすすめ商品を決定します。
ルールベースレコメンド
ルールベースレコメンドとは、紹介する商品を管理者が意図的に決められるレコメンドの仕組みです。たとえば、「パソコンを見られたら、キーボードをおすすめする」や、「ゲーミングマウスが購入されたら、音声通話用のヘッドセットを紹介する」などのルールを指定できます。
期間限定のキャンペーン開催時やクーポンを使って特定商品を積極的に売りたい場合に、利用されます。
パーソナライズドレコメンド
パーソナライズドレコメンドとは、顧客のECサイトでの購入履歴やコンテンツの閲覧履歴から興味関心を分析し、それぞれの顧客に対して異なったおすすめ商品をリアルタイムに分析し、表示する仕組みです。「あなたへのおすすめ商品」「お客様におすすめのブランド」といった個人の嗜好に合わせたレコメンドが可能となります。
「おすすめ」以外にも使えるレコメンドサービス
ECサイトにレコメンドサービスを導入し、顧客に効果的なおすすめ商品を提示することで、サイトの使いやすさの向上や売上増加が期待できます。また、レコメンドサービスの中には、「おすすめ」以外にも、さまざまな切り口でアイテム・商品を表示できるものがあります。
ランキング
レコメンドサービスの仕組みをご紹介する中で、顧客の行動履歴をベースにアイテム同士の関連性を計算・分析する協調フィルタリングというものがありました。そのベースとなる行動履歴を用いて、よく見られているアイテム、あるいは、よく買われているアイテムをランキング形式で表示することもできます。
もちろん、レコメンドサービスを使わなくても、購買データやGoogle アナリティクスのようなサイト分析ツールのデータからそういったランキングを作成することもできますが、人手で運用したり、集計プログラムを作ったりするのは意外と難しいものです。
履歴(リマインド)
ECサイトの中で、「最近チェックした商品」や「閲覧履歴」など、そのサイトで直近見た商品が表示されている場合があります。実は、これもランキングと同様に、レコメンドサービスで表示できます。そう、ここでも行動履歴情報が用いられています。
新着アイテム
レコメンドサービスは、定期的にサイトに掲載されるアイテムの情報を取り込んでいます。その中で、初めて取り込まれるアイテムを認識し、「新着アイテム」「新着商品」といったかたちで、それらのアイテムを表示するような仕組みもあります。これも、人手の運用や別のプログラムで実現するにはハードルが高い仕組みです。
以上のように、レコメンドサービスの中には、「おすすめ」のアイテムを表示するだけではなく、ランキングや新着など、さまざまな切り口でアイテムを表示することができるものもあります。言い換えると、さまざまなコンテンツを自動的に作成する仕組みを備えているのです。サイト運営に人手はかけられないけど、コンテンツは充実させたい、そんな悩みにもレコメンドサービスは有効なのです。
レコメンドサービス導入時の注意
データの蓄積には準備期間が必要
レコメンドサービスの代表的な仕組みである協調フィルタリングは、ベースとなるデータが少ないと十分な効果を発揮しません。サイトの規模やアイテム数にもよりますが、レコメンドサービス導入後、約2~3週間はベースとなるデータを作る準備期間と考えましょう。
また、ハイブリッドレコメンドが使えるようであれば、テキストマイニングやルールベースレコメンドなどの仕組みを併用することで、準備期間でも適切なおすすめ商品を提示することも可能です。
アイテム数が少ないと効果を発揮しにくい
レコメンドサービスは、扱うアイテム数が多いほどその効果が期待できます。一方で、アイテム数が少ないと、おすすめ商品のバリエーションが少なくなってしまい、顧客に対して魅力的な接客が難しくなります。そもそも、わざわざレコメンドサービスを使わずに、固定の決まったおすすめアイテムを提示してもよいかもしれません。
まとめ
レコメンドサービスにより、顧客に効果的なおすすめアイテムを提示することで、サイトの使いやすさが向上し、結果として売上の増加やブランド・企業のファンの獲得につなげることができます。
また、おすすめアイテムだけではなく、ランキングや新着など、さまざまなコンテンツを自動的に作成・表示する仕組みとして活用することができるものもあり、サイト運営の効率化にも役立てられるでしょう。
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