MNPを利用すれば、電話番号はそのままで通信事業者を乗り換えすることができます。
ですが「MNPってなに?」「どのような手続きをすればいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではMNPについて詳しく解説していきます。
MNPのメリットや注意点、手続き方法など幅広く紹介しますので、これから携帯電話の乗り換えを検討している方はぜひ参考にしてください。
MNP (モバイル・ナンバー・ポータビリティ)とは?
MNPとはモバイル・ナンバー・ポータビリティ(Mobile Number Portability)の略称で、現在契約している携帯電話の電話番号を変更することなく、ほかの通信事業者でも使えるようにできる制度のことです。
一昔前は、携帯電話の通信事業者を乗り換えるたびに新しい電話番号が発行されていました。
ですが、乗り換えをするたびに電話番号が変わってしまっては不便と言うこともあり、MNPという制度ができました。
そのため、現在は別の通信事業者に乗り換えをしても、これまでと同様の電話番号を使えます。
MNPを利用するメリット
MNPの手続きをする前に、なぜMNPを利用するのか、どのようなメリットがあるのか確認しておきましょう。
番号を維持したまま自分に合ったサービスを選べる
MNPを利用する最大のメリットは、現在契約の電話番号を維持したまま、別の通信事業者と契約できる点です。
これまで紹介したように、MNPを利用すると携帯電話の番号をそのままに乗り換えができるようになります。
MNPがなかった時代は「別の通信事業者の方がお得だけど番号が変わってしまうから乗り換えられない」ということも少なくありませんでした。
ですが、今はMNPによって、電話番号を変えることなく自分にとって最適な通信事業者へ乗り換えられます。
電話番号を変更したくないのであれば、MNPを必ず利用しましょう。
お得なキャンペーンを利用できることがある
MNPでの乗り換えによって、お得なキャンペーンが適用されることがあるのもメリットのひとつです。
キャンペーンの内容は通信事業者によって異なりますが、数万円分のポイントが貰えたり、スマホが安く購入できたりします。
「電話番号が変わっても問題ない」という人も中にはいるかもしれませんが、キャンペーンのためにもMNPの利用をおすすめします。
MNPの利用条件
ここからはMNPの利用条件について解説していきます。
場合によってはMNPができない、もしくは乗り換え後にスマホが使えないと言うことも考えられるので必ず確認しておきましょう。
対象となる契約者
MNPは現在の契約者の名義でしか利用できません。
例えば、親の名義から自分の名義に変更しつつMNPを利用することはできません。
そのため、名義を変更したい場合は、現在契約している通信事業者で名義変更をしてから乗り換えをするか、乗り換えをしてから名義変更をすることになります。
なお、キャリアによっては家族間であれば名義変更とMNPを同時に行える場合もあるので、確認しておきましょう。
MNP対応の端末やキャリア
MNP対応の端末やキャリアであるかも確認しておく必要があります。最近ではMNPで乗り換えできないキャリアはまずないと考えられますが、念のため確認しておきましょう。
MNPで電話番号だけでなく、端末もそのまま使い続ける場合は、SIMロックがされているか、そしてSIMロックがされている場合は解除ができるかも確認しておきましょう。
MNPの注意点
MNPで乗り換えをする際は以下の注意点を確認しておきましょう。
- MNPには有効期限がある
- 転出先で新規契約手数料が発生する
- 現在のキャリアとの契約は解除される
- 現在のキャリアのサービスやオプションは移行されない
注意点を理解しないままMNPで乗り換えをすると、思わぬ後悔をすることもあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
MNPには有効期限がある
MNPには有効期限があるので注意しましょう。
具体的には、MNPをする際に必要となる「MNP予約番号」に有効期限が設定されています。
たとえ有効期限が切れたとしてもペナルティなどあるわけではありませんが、再発行の手間がかかるので、予約番号を取得したら速やかに乗り換えを進めましょう。
転出先で新規契約手数料が発生する
転出先で新規契約手数料が発生する点にも注意しましょう。
MNPの転出手数料は原則として無料ですが、新しく契約する通信事業者にて新規契約をするための手数料は別で発生します。
とはいえ、事業者によっては無料で契約できる場合もあるので、乗り換えの際は各種手数料をチェックしておきましょう。
現在のキャリアとの契約は解除される
MNPで乗り換えをすると現在のキャリアとの契約は解除されます。
これまで紹介しているように、MNPというのは、電話番号をそのままに、通信事業者の乗り換えができる制度です。
そして、通信事業者の乗り換えというのは、現在の契約を解除して、別の通信事業者で契約をすることを指します。
電話番号がそのままとはいえ、契約は終了となるので注意しましょう。
現在のキャリアのサービスやオプションは移行されない
現在のキャリアとの契約が終了になるということは、サービスやオプションなども全て終了となります。
例えば、大手キャリアの契約が終了になる場合は、キャリアメールは使えなくなりますし、そのほか、電話のオプションや、スマホ補償のオプションなども、全て新しいキャリアにて契約しなおす必要があります。
なくなったら困るサービスやオプションなどがある場合は、類似のサービスやオプションが乗り換え先の通信事業者でもあるのかチェックしておきましょう。
なお、キャリアメールに関しては「持ち運びサービス」を使えば、有料にて引き続き利用は可能です。
どうしてもキャリアメールを使い続けたい場合は、持ち運びサービスを検討してみましょう。
MNPの具体的な流れ
ここからはMNPの具体的な流れを解説していきます。
MNPの乗り換えの大まかな流れは「MNP予約番号取得→申込→契約」となります。つまり、いわゆる解約手続きというのはありません。現在契約している通信事業者にて解約は行わないように注意しましょう。
なお、本記事では一例として「SoftBankから楽天モバイル」に乗り換えをする場合の手順を紹介します。
ほかのキャリアの場合でも大まかな流れは変わらないので、これからMNPで乗り換えを考えているかたはぜひ参考にしてくださいね。
ステップ1:NMP予約番号取得の申込をする
まずはMNP予約番号を取得します。
MNP予約番号は、現在契約している通信事業者から取得するものです。その後、予約番号を乗り換え先の通信事業者に伝えることで、電話番号の引き継ぎができるようになります。
予約番号の取得はSoftBankの場合は「電話」「ソフトバンクショップ」「WEB(My SoftBank)」から行えます。
電話やソフトバンクショップでは「MNP予約番号をください」と伝えれば問題ありません。
オペレーターやスタッフと関わらずに進めたい場合は、My SoftBankにログインして進めましょう。
通信事業者によって取得方法は多少異なりますが「○○(通信事業者名)+MNP予約番号」で検索すれば、公式の取得方法の案内が確認できるので、そちらを参考にしてください。
ステップ2:予約番号を確認する
予約番号取得の申込をしたら、即時もしくは翌日から数日で予約番号のお知らせが来ます。
ソフトバンクではSMSにて予約番号を確認できます。
予約番号は乗り換え先の通信事業者にて必要になるので、メモに取るなどして紛失しないようにしましょう。
ステップ3:乗り換えをする通信事業者で申込をする
MNP予約番号を取得したら、乗り換えをする通信事業者にて申込を進めていきます。
前述したように、現在契約している通信事業者からはMNP予約番号を取得するだけで、解約をする必要はありません。
今の通信事業者の契約がある状態で、そのまま乗り換え先の通信事業者にて申込を進めましょう。
なお、乗り換え先が楽天モバイルの場合の申込は、WEBからでも店頭からでも行えます。
WEBで申込をする際は、公式サイトの「お申し込み」を選択して行います。
申込の際に、オプションの内容や、新しく端末を購入するのか、などを選べるので、自分の希望通りに進めてください。
途中で、電話番号を選ぶ(新規契約)か、電話番号を引き継ぐ(MNP)かを選択できるので、MNPを選ぶようにしましょう。その際に、MNP予約番号を求められるので、メモした予約番号を入力してください。
なお、WEBからの申込だと、端末やSIMが自宅に届くまでに時間がかかりますし、開通手続きも自分で行う必要があります。
すぐに契約したい方や、自分で契約するのが不安な方は店頭にて手続きをしましょう。
なお、楽天モバイルは店頭でも契約できますが、キャリアによってはオンラインでしか契約できない場合もあるので注意してください。
ステップ4(SIMカードの場合):MNP開通手続きをする
オンラインにて申込をして、端末やSIMが自宅に届いたら自分でMNP開通手続きをする必要があります。
MNP開通手続きをすることで、電話番号の引き継ぎができるようになります。なお、以前の通信事業者は、この開通手続きをもって解約となります。
楽天モバイルはSIMカードでの契約とeSIMでの契約の2種類があるので、それぞれの手順を解説していきます。
SIMカードでのMNP開通手続きの手順は以下の通りです。
- my 楽天モバイルにログインする
- 今回契約した該当の申込番号を選択する
- 「転入を開始する」をタップする
- 内容を確認して「MNP転入を開始する」をタップする
MNP開通手続きが完了したら、SIMカードを端末に挿入して回線の開通を行いましょう。
回線の開通方法は通信事業者によって異なりますが、SIMカードと一緒に送られてくるセットアップ方法の説明書を参考に進めれば問題ありません。
ステップ4(e-SIMの場合):MNP開通手続きをする
eSIMでもMNP開通手続きを行う必要があります。
楽天モバイルでの手順は以下の通りです。
- 「my 楽天モバイル」のアプリをダウンロードする
- アプリを起動してログインする
- 今回契約した該当の申込番号を選択する
- 「転入を開始する」をタップする
- 内容を確認して「MNP転入を開始する」をタップする
eSIMで手続きをする場合は、アプリから行う必要があります。
MNP開通手続き後は、SIMカードと同様に回線の開通を行います。
回線の開通も、MNP開通手続きと同様にmy 楽天モバイルのアプリから、該当の申込番号を選択して画面の指示通りに進めていきましょう。
ほかの通信事業者も、eSIMでの回線開通手続きは専用のアプリから行うのが一般的です。
まとめ
MNPは電話番号を変えずに通信事業者を乗り換えられる制度のことです。
現在契約している通信事業者にて「MNP予約番号」を取得して、乗り換え先の通信事業者にて「MNP予約番号」を伝えることで、電話番号を変えずに乗り換えができます。
MNPを利用すると、キャンペーンによって特典を受けられることもあるので、乗り換えをする際は、キャンペーン内容も考慮して通信事業者を選ぶとよりお得です。
なお、MNPを利用すると電話番号をそのまま使用できますが、通信事業者が変わりますので、以前の契約のサービスやオプションは引継ぎできません。乗り換え先に必要なオプションやサービスなどがあるかは必ず確認しておきましょう。