己【おれ】

主に東京・グルメ・漫画・旅行ネタ。己【おれ】と命名するも乙【おつ】と勘違いされることもよくある残念なブログです。

【孤独のグルメ】静岡青葉横丁の老舗居酒屋『一心』の汁おでんに「おほぅ」「ふはあ」「くーーー」

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カラシの効いた汁おでんを食べて発する中年男の「おほぅ」「ふはあ」「くーーー」

当ブログを初めてご覧になられる方々はこぞって「何のこっちゃ?」と疑問を持ちつつそっ閉じされることでしょうが、18年ぶりに刊行された漫画最新巻「孤独のグルメ2」において、おでんを食べた主人公・井之頭五郎による吐息混じりのセリフ……と書けばピンとくる方がいるかもしれません。それはそれでアヴナイですが

早くも24万部突破、重版かかりまくりっぽい「孤独のグルメ2」

今回は栄えある2巻第1話の舞台でおなじみ、静岡県静岡市青葉横丁の居酒屋『一心』にて、ゴローちゃんが食べた汁おでんやら焼き海苔黒はんぺんだとかについてここぞとばかりにお届けする、ある意味いつもどおりな聖地巡礼レポでございやす。

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なめちゃいけない静岡県静岡市青葉緑地の噴水

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青葉シンボルロードとも呼ばれる幅18m、長さ520mの緑地帯。

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作中は5月頃。シャツだけでやってきて後悔気味なゴローちゃん。

そんな彼の左後ろにうっすらとヤツが見えますね。

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こちとら残暑厳しい時期の訪問だったため、寒暖差はそう大したこともありませんでしたが、

一見どこにでもありそうなついなめたくなるこの噴水、一定時間ごとに見せる縦横無尽風の動きに少々びっくりするのでした。


もはやタプンタプンじゃなくドンブラコッコレベル。

JR静岡駅徒歩10分、青葉緑地から徒歩数分圏内。連なる赤提灯の明かりに顔もほころぶ青葉横丁

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モデルとなった『一心』は横丁出入口すぐの場所に店を構えます。

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酒呑みにとってはディズニーよりもこっちの方がよっぽどエレクトリカルパレードなのでしょう。

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せっかくの静岡、それなら静岡おでんを食わな!とおでん心に火がついた、でも飲めないゴローちゃんは、数あるお店の中から子連れ客が出てきた『一心』を選択。

下戸じゃない身からすると「なるほど」と思うシーンですが、親子が気軽に利用できる飲食店ならお酒が飲めなくても気にせず食事することができるってもんですよね。

1973年(昭和48年)創業、青葉横丁で40年以上続く老舗居酒屋『一心』

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L字型カウンターで10席ほど、入口左手奥に4名掛けテーブル1卓の計15席前後の店内。

ゴローちゃんが座った席に腰掛け、回れ右の黒板に定番メニュー…何だか声に出すのもはばかられる樽酒が鎮座していたり、

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本日のおすすめメニューがどどんと置かれるこの感じ。

いわゆるどこにでもありそうな街の飲み屋さんなだけに、静岡に来ていることを一瞬忘れそうになりましたが、ローカル番組の音声、強面ながらも話すと気さくで時折少年のような笑みを浮かべるご主人との会話で静岡入りを再認識。

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「ほふう」と一息ついてからの静岡おでん食べたるぞ!な気持ちを……って、汁おでん?

果たしてゴローの運命やいかに!?


… … …


… … …


… … …


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まあ、現実を受け入れるしかないんですけどね。

「(粉 かけたかったな)」と物議を醸しそうな心の声を押し殺すように「(こんなしくじりもまた旅情なり)」と、それはそれでうまいこと言えてんのか言えてないのか判断に迷う切り返しを行った後、『一心』名物の汁おでんを受け取ります。

1日限定20食。ピリリとカラシの効いたつゆを飲みながら食べる『一心』名物の汁おでん

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原作と同様に「飲みながら食べてください」のアナウンスと一緒に提供される汁おでん。

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毎度おなじみなワケですが、今回もまた忠実に描かれております。

前作「孤独のグルメ 【新装版】」に特別収録された病院食編を除くと、1996年の連載終了から13年ぶりの新作(本作は2009年6月に週刊SPA!誌上に掲載)ということもあってか、いや、そんなことないな、谷口ジロー氏の再現度の高さにはいつも驚かされますね。

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ゴローちゃんは想定外の辛さに「おほぅ」と漏らしますが、

おれの場合は食べる前からすでに「おほぅ」。
この感覚は実際モデル店に足を運び、いざ実物と対面するからこそ得られる特権ってヤツに他なりません。

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おでんにカラシは付き物ですが、つゆに溶けた状態は何か新鮮。

さすが提供時に一言添えられるだけあって、そのフォローがないと思わず「辛!」って声が出ちゃうかも。

鶏皮などの食材でダシをとり、柚子胡椒のピリッとした辛さの汁おでんは、基本的に大根、ちくわ、こんにゃく、さつまあげ、ウインナーの5品で固定。

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食事というよりは酒のつまみ感覚の1杯って感じなのかな。

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飲めないゴローちゃんの代わりに、日本唯一の樽焼酎「朝立誉(あさだちほまれ)」をグビグビいただいちゃいます。

升の中にグラスを入れてガチで並々と注いでくれるんですが、この米焼酎が大変飲みやすい。
樽熟成により、口に含んだ瞬間から広がる木の香りが焼酎特有の臭みをかき消してくれるのか、グビグビを通り越してゴクゴクと喉を鳴らして飲み干したいほどに、事実何杯もおかわりしちゃいました。

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定番具材の牛すじは、おでんじゃなく串焼きで摂取しつつ完食。

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一方、溜池ゴローじゃない方のゴローは「ふはあ」「くーーー」とAV女優ばりに艶めかしい吐息を読者にプレゼント。

磯辺揚げを炙ることで生まれる海苔の香ばしさ。『一心』名物の焼き海苔黒はんぺん

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炙り焼き!そういうのもあるのか。

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当初静岡おでんだ黒はんぺんが食べられないことを不満がっていたゴローちゃんも何だかんだで「はーい」「ほお~っ」と上機嫌。

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醤油を垂らしてパクリと食いつきゃ、オーザックばりにザックザクといただけます。

汁おでんにせよ焼き海苔黒はんぺんにせよ、常時30種類以上の品々はどれもお酒が進みそうで、朝立誉の原料が米なだけに、ライスと合わせても相性抜群なんだろうな。…でも、残念ながらメニューにライスがない。うーんこれは酷だ、残酷です。

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甘くないタクワンをポリポリリズムで気分転換。

取り扱う料理の数々がご当地グルメにかすっているようでかすっていないから、静岡らしいものが食べたい場合には向かないお店だけれど、だからこそ地元民や常連さんに重宝されるお店って位置づけなのかもしれませんね。

そしてそんな街の酒場を連載再開の記念すべき第1話に持ってくるあたり、単なるグルメ漫画とは一線も二線も画す所以と言えるでしょうし、「孤独のグルメ2」に登場する13軒のチョイスにもこだわりとやらが垣間見えます。

痕跡が見られる網焼きコロッケから怒涛のマグロラッシュを経てフィニッシュ

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フライパンはあくまで飾りだから熱くありません。

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と彼は言うけれど、

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コロッケの表面を炙ることで表面にくっきりと焼き目が。

フライパンじゃなく網に乗せて出せばいいのにって思いますが、一心なだけに一身上の都合がそうさせるんでしょう、鉄板自体は熱くないもののコロッケ自体はアツアツで、ソースつけずにそのままでもしっかりおいしい味加減。

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コロッケ、きぬかつぎ、むかごによる芋ダブルならぬ芋トリプルを決める確信犯っぷり。

そんな1コマが愛らしく見えるようでやっぱり見えないワケですが、この日はきぬかつぎもむかごも店頭に並んでいなかったこともあり、

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マグロブツ!

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マグロ串焼き!

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マグロチャーシューのマグロトリプルで挽回することに。

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さらには朝立誉の前に「元気出せよ!!」のPOPとともに掲げられていたニンニクを丸焼きにしてもらうことでテンションも大爆発。

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ごちそう食って反省してる馬鹿もなしな精神状態でドガガガ…

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完食!!!(※汚いのでモザイク処理済み)

この記事をしたためている今となっては一体何を挽回したかったのかこれっぽっちも分からないあたりが辛いのですが、せっかくの静岡、せっかくの孤独のグルメ遠征ということで、楽しい一夜を過ごすことができましたし、色んな意味で元気な朝を迎えられ、何というか若いって素晴らしいと実感しました。

店舗情報

店名 一心
住所 静岡県静岡市葵区常磐町1-8-7(地図)
電話番号 054-255-3093
営業時間 17:00~24:00(L.O.23:30)
定休日 火曜日
最寄駅 静岡駅、新静岡駅

出典(作品情報)