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株価下落「浜松ホトニクス」今が買い?トヨタの“売出し“は今後どう影響する?長期投資のプロが解説=栫井駿介

浜松ホトニクスはどんな会社?

栫井:浜松ホトニクスについて、当社アナリストの元村さん(以下・元村)に詳しく解説していただきます。よろしくお願いします。

元村:よろしくお願いします。

こちらのYouTube動画もご覧ください。1年で40%下落!日本有数の技術力・浜松ホトニクスの行く末

栫井:浜松ホトニクスはどんな事業を行っているんですか?

元村:浜松ホトニクスは光電子部品なんかを製造している企業なのですが、光電子部品の特徴としては、例えばものすごく微弱な光をセンサーで検知して、検知したものを光から電気信号に転換する、または逆に電気信号を光に転換する、大まかに言うとこのような部品を作っています。
それがどういうものに使われているかというと、期待されているものがEV車に搭載されているバッテリー(リチウムイオン電池)に不具合が無いか検査する時に、透過することによって実際に開けたりしなくても確認ができるというものです。(非破壊検査)
当然、これからEV車が増えるにしたがって使われるバッテリーも増えますし、老朽化していくバッテリーも増えます。それを支える技術を浜松ホトニクスが担っているということです。

栫井:非破壊検査という分野で、今まで以上に使われていくという観点で言うと、作られる製品が高度化していく中で、目で見るのが難しいようなものに対して浜松ホトニクスが持っている高い技術がどんどん使われていくということになるのでしょうか。

元村:その通りです。半導体デバイスの故障解析などにも使われるようになっていきます。半導体はどんどん高性能化・微細化が進んでいて、もはや目では見えないような回路を形成しなくてはならなくて、それが正しく作動するかどうかというところは人間の目では確認できません。そんな時に浜松ホトニクスの装置を使うと、デバイス自体を触ったりしなくても検査することができます。こういうところに浜松ホトニクスの技術が応用されていくと思います。

栫井:半導体というと飛ぶ鳥を落とす勢いで需要が伸びていますけどそこでも着実に使用されるということですね。

元村:もう一つ身近な事例を挙げると、空港の荷物検査の時にいろいろ取り出したりしなくてもバッグをそのまま透過させるだけでよくなりましたよね。そこにも浜松ホトニクスの技術が使われています。

栫井:もうすでに便利になっているということですね。

元村:これまでの装置よりも高度化することでより多くの旅客者の手荷物検査をスムーズに効率的に行えるようになるということです。

栫井:浜松ホトニクスが持っている技術は他の会社ができたりしないのでしょうか。

元村:なかなか難しいと思います。やはりこの領域では浜松ホトニクスが抜きんでています。

栫井:一流の研究者が集まっているイメージですが…

元村:本当にその通りで、昨年とある高専生と話す機会があったのですが、就職先で光関係の研究を進めたいという人はまず第一に浜松ホトニクスを希望するそうで、上位成績者しか試験を受けることができないそうです。
あとは代表的なところだと「ハイパーカミオカンデ」ですね。2027年の稼働を目標に建設中なのですが、宇宙の微弱な光(ニュートリノ)を検知して宇宙関係の研究を進めるのに必要不可欠な施設です。そこには浜松ホトニクスでしか作れない光電子増倍管が大量に使われます。

栫井:研究開発型の企業ということですね。

元村:そうですね。

 

栫井:浜松ホトニクスはすごい技術を持っていますが、それをどのようにして利益の方に繋げていくのでしょうか。

元村:浜松ホトニクスはすごく特殊な会社で、まず浜松ホトニクスが最先端の光電子部品を開発して、それがあらゆる業界業種の最終製品に応用されながら使われていくという形です。もちろんマーケットのニーズを企業からヒアリングもするそうなのですが、普通はまず最終製品があってそれに向けて開発するのですが、浜松ホトニクスに関しては類まれな光技術を持っているので、まず浜松ホトニクスがすごい部品を作って、市場がその部品を最終製品に組み込むという形です。

栫井:普通なら、こういう製品が作りたいから部品会社である浜松ホトニクスに依頼が来るところを、浜松ホトニクスの場合は技術が先にあって他の会社がその技術があるならこんな製品ができるという発想になるということですね。

元村:はいその通りです。

栫井:浜松ホトニクスが無いとできない製品が既にたくさんあるでしょうし、これからいろんなものが高度化していくにしたがってますます増えてくるだろうというところですね。

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