生産性を高めるためには、日々の仕事に優先順位をつけることが大切です。
普段の私はアイゼンハワー・マトリクスを使うことを推奨しています。アイゼンハワー・マトリクスは、緊急度と重要度に応じてタスクを視覚的に分類するのに役立ちますが、別の方法もあります。
それは、Brian Tracy著『Eat That Frog!: 21 Great Ways to Stop Procrastinating and Get More Done in Less Time』で紹介されているABCDEメソッド。
当然ことながら、もっとも重大で苦手な仕事に第一に取り組むのは、その日の仕事に取り組む1つの方法でしょう。
でも、残りの仕事をどのような優先順位で進めるかを決めていくこともかなり重要です。その具体的なやり方を見ていきましょう。
ABCDEメソッドとは?
ABCDEメソッドは、やるべきことを分類するシンプルな方法。
特に、1-3-5ToDoリストのような、大きなタスクを1つ、中程度のタスクを3つ、小さなタスク5つを日々こなす方式を採用していると、ABCDEメソッドを使うことはToDoリストをつくるための確実な第一歩となるでしょう。
そもそも、大・中・小のタスクを把握すること自体が実はタスクなのです(ただし、1-3-5リストの中の5つのタスクのうちの1つにはカウントしません)。
1日の計画を立てるときは、目の前のタスクにそれぞれグレードをつけることが重要です。
まずは、やるべきことをすべてリストアップしましょう。これは1日、1週間、1カ月のタスクのリストでも構いません。
そして、このアウトラインに基づいて、それぞれのタスクにグレードをつけていきます。
Aのタスク
最も重要なタスクで、やり遂げなければ困ったことになるもの。
これらは、リソースと時間を必要とする難しいタスクですが、請求書を期限通りに支払うなど、時間はかからなくても、失敗した場合に厳しいペナルティが発生するものも該当します
Bのタスク
やらなければならないタスクですが、すぐにやらなくてもそれほど深刻な影響がないタスクです。
Aのタスクほどの緊急性はなくとも、いつかはやらなければならないことはわかっていつつ、少し余裕があります。
Cのタスク
やらなくても困るわけではないものの、やっておいたほうがいいタスク。
私にとってのCタスクは、広報の売り込みに対して、そのクライアントのインタビューには興味がないと返答することかもしれません(逆にBのタスクは、誰かの広報担当者がインタビューの時間を調整しようとしているときに、すぐに返事をすること。Aのタスクなら、インタビューに応じること)。
Dのタスク
誰かに任せられるタスク。タスクを任せる相手は、AやBのタスクを抱えていないことが条件です。
自分にとって重要度の高いタスクでないことや、任せた相手がそのタスクをきちんとやってくれると信頼できることが条件です。
Eのタスク
すべてToDoリストから削除していいタスクです。
何の役にも立たないタスク、何の結果も伴わないタスク、あるいはそのタスクをすることで自分が辿るべき道から脱線したり害になったりする可能性があるなら、やらないようにしましょう。
これはかなり状況に応じて付ける臨機応変につけるグレードともいえるでしょう。
たとえば、今夜スーパーに行きたかったけど時間がなかったとします。自宅に十分な食料があるし、テイクアウトを注文することもできるなら、スーパーに行くというタスクは削除して構いません。しかし、食料を使い果たしていると、スーパーに行って買い物をすることは再びToDoリストの上位に返り咲きます。
ほかのEタスクは二度リストに現れないかもしれません。やらなくてもどうということもないタスクは、自分にかかるプレッシャーを減らすために、無視しましょう。
ABCDEメソッドを使って1日の計画を立ててみよう
1-3-5ToDoリストに沿ってタスクを仕分け
すべてのタスクにグレードをつけたら、1日(あるいは1週間、1カ月)の計画を立てましょう。
いよいよ1-3-5ToDoリストの出番です。
1つの大きなタスクは、緊急かつタイムリーで、そして/または大きなリソースと集中力を必要とするタスクなので、Aタスクがそれに該当します。
3つの中程度のタスクは、Aレベルの小さなものが含まれるかもしれませんが、ほとんどの場合はBでしょう。
5つの小さなタスクについては、残りのBタスクと、必要であればCタスクをピックアップしましょう。
Dタスクについては、外注するためにコーディネートすること自体がそれなりの労力を伴うので、5つの小さなタスクの1つになるかもしれません。また、外注したタスクがうまく処理されているか見守ることがCタスクになってしまうかもしれません。
EタスクはToDoリストから消してしまってOK。リストから削除すると気分がすっきりします(そして生産性もアップ)。
タスクの仕分けが終わったら
その日に必要なタスクを整理したら、1週間先を見据えてBレベルのタスクを念頭に置き、その日に時間がない場合は、都合のいい日に繰り越すようにしましょう。先延ばしにしていると、あっという間にAタスクになってしまいますよ。
いつものように、タイムボックスを使って1日のスケジュールを立てましょう。
カレンダー上で各タスクの時間を割り当てます。Aレベルの重要なタスクに最も多くの時間を充て、BタスクとCタスクに充てる時間はそれより少なくします。
マルチタスクはしないこと。多くの時間とリソースが必要な難しいタスクからはじめ、1つのタスクが終わってから次のタスクに取り掛かるようにしていきましょう。
ただし、誰かにタスクを任せる場合は、早めに完了できるように計画して、任せた相手もその人にとってのAタスクやBタスクを終わらせる時間を確保できるように配慮すること。
自分のタスクにグレードをつけると、そのタスクに関する見通しを立てやすくなり、切迫感も高まるので、生産性を高めざるを得なくなります。
すべてを順序立てたリストにすることで、時間割の構造と方向性が得られ、時間の無駄が減り、すべてを完了したとき達成感が得られます。そしてそれ自体が生産性の向上につながるのです。
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