Popular Science:ブリガムヤング大学研究員のTodd Truscott氏とRandy Hurd氏は、自分たちをwizz kids(小便小僧)と呼んでいます。彼らの"Splash Lab"では、おしっこが便器に当たるときの現象を、ハイスピードカメラを使って流体物理学の観点から研究しています。
Hurd氏らの関心は「跳ね返り」にあります。研究室では男性の排尿をシミュレーションして、小便をもれなく便器の中に収めるにはどうすればいいかを探っています。これはトイレを清潔に保ち、ズボンを汚れから守るとともに、後で使う人をハッピーにするための方法です。
尿道15センチメートル
Hurd氏によると、男性によるトイレの汚れの大半は「プラトー・レイリー不安定性」に起因するそうです。これは、落下する液体の流れを「しずく」に分解する作用のことです。
男性が用をたすとき、おしっこの流れはしずくに分裂し、尿道口から約15センチの範囲で飛び散ります。「便器に当たる前に、すでにしずくになっている」とHurd氏はBBCに語っています。「このしずくが、ズボンにしぶき状の汚れをつくる犯人なのです」
小便の飛び散りを防ぐには、便座に座るのが一番です。カナダのあるレストランでは、男性が立ったまま小便をすることを禁止しました。台湾の環境保護局のトップや、スウェーデンの政治家も、男性の座り小便を推奨してます。
立って小便をすると、座ってするのに比べて、小便の落下距離が約5倍になり、跳ね返りもその分大きくなります。とはいえ、男らしさを守るために立って小便するのを譲れないなら、「角度を変えるといい」とHurd氏は語っています。(便器の)水面と小便が当たる角度が小さいほど飛び散りも小さくなるそうです。もっといいのは、水面ではなく便器の側面に当てること。これで「カオスがずっと減る」そうです。
Splash Labはこの研究をAmerican Physical Society Meetingで報告しています。
Science Addresses The Problem Of Pee Splashback|Popular Science
Shaunacy Ferro(訳:伊藤貴之)