こんにちは。「失業経験有り人事担当」の田中二郎三郎です。

採用面接を担当していると、面接のことを知人から聞かれます。中でもよく聞かれるのが、面接の途中で「この人は次の段階に進めたい」、「この人は落とそう」と決めるのはいつか? ということ。それに対して私は、始まってから2分で合否予測していると答えるのですが、大抵驚かれます。

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 「たったの2分で何がわかるの?」と思われがちですが、誤解しないでください。最初の2分という時間帯は第一印象から話し始めで、この段階で「ああ、この人は受かると思うな」、「この人はこのまま続けてもたぶん落とすな」という「予測」を立てているということです。合否確定ではありません。もちろん、話し続けて落とそうと思っていた人が後半挽回して合格することもありますし、逆の場合もあります。しかし、ほとんどは最初の2分で決まる...。では、この最初の2分では何が起こっているのでしょうか。

まずは「あいさつ」です。「あいさつなんて、基本中の基本じゃん」と思う方も多いと思いますが、経験則からお話しすると、10人中5人は思いの外、あいさつの声が小さい、元気がない、といった印象を受けます。面接する側も人ですから、話しにくい人とは面接の問答がしにくい事はおわかりいただけるでしょう。あいさつがしっかりできない人には、面接側も小気味よく質問ができません。エンジンがかからない車に乗ってアクセルを踏んでいるようなものです。

声の小ささの原因は、緊張か間違った認識。緊張するとどうしても声が小さくなってしまいます。あるいは、控えめに落ち着いた印象を持ってもらおうとして、逆に元気がない印象を相手に与えてしまう場合です。そこで対策ですが、あいさつは自分が「声が大きすぎるかな?」と感じるくらいにしっかりとすること。そうすると緊張で声が小さくなるため、普通の声量でのあいさつになります。これは、新卒採用でも中途採用でも言えることです。元気のあるあいさつをする人としない人、初対面ならどちらと話したいと思いますか?

次に「話し方」です。面接というとどうしても質疑応答のイメージが強く、「私は御社を~」などの普段とは異なる話し方が必要になるため、どうしてもぎこちなくなってしまう方が多いのも事実です。私がアドバイスするとしたら、面接は質疑応答ではなく「会話の場」と心がけて、なるべく相づちや身振り手振りも交えて自分を表現したほうが良いと思います。人間は身体を動かしながら話すと、緊張がほぐれます

最後に「視線」です。「目を見て話す」とよく言われますが、相手の目を見ると緊張する方も多いでしょう。そこで、視線を相手の額に合わせて話すと、相手からは目を見て話しているように見えます。よく「ネクタイの結び目を見た方が良い」とアドバイスしている本がありますが、ネクタイは下に長いので、どうしても視線が下がっていきがちです。まさか面接側が蝶ネクタイをしていることはありませんから、ネクタイに視線を合わせることはやめておいた方が良いでしょう。

どの対策も今日からできる事です。皆さんの健闘をお祈りいたします! 私も失業経験有り人事担当ですから!

(田中二郎三郎)