子供向け・小学生向けのパソコン~購入時の注意点とおすすめパソコンを紹介

AI や IoT、ビッグデータを用いた技術革新である「第 4 次産業革命」に対応することを目的として、2020 年に小学校でプログラミング授業が必修化されました。さらには今後 10~20 年程度で、半数程度の仕事が自動化されると予想されています。

プログラミングを効率的に学ぶにはパソコンが必須です。プログラミングの重要性は今後ますます高まると予想されます。

プログラミング教育には情報化社会に対応することが主目的ですが、論理的な問題解決に役立つ思考力を培うことも副次的な目的としています。これを「プログラミング的思考」と呼んでおり、論理的思考力や問題解決力・創造力・実行力などを身につけることが期待できるのです。

このタイプの思考パターンは、プログラミングに役立てることのみを目的としているわけではありません。日常生活でさまざまな問題に直面したときにうまく解決する力として応用することも目的としています。これらの力を無理なく習得するために用いられるのがプログラミング教育です。

子供にパソコンを買い与える理由は、小学校でプログラミング教育が必修化されているからだけではありません。学習にパソコンを活用して成績 UP を目指したり、動画編集・画像編集などのクリエイティブスキルを習得したりするためでもあります。

他にもタッチタイピングを習得させるなど、社会生活で役立つスキルを学ばせることも目的です。子供が社会に出ると、パソコンスキルはさまざまなシーンで求められます。早めに必要なスキルを習得することは子供にとって大きなメリットです。

パソコンはデスクトップパソコンとノートブックに分けられますが、小学生向けとして選ぶならノートブックをおすすめします。その理由は、学校の授業に合わせて持っていく機会があるためです。

デスクトップパソコンには拡張性の高さや画面の見やすさというメリットがありますが、持ち運びを必要とする場合はノートブックの一択となります。自宅での勉強用であれば、デスクトップパソコンを自宅用とし、予算の都合に合わせてノートブックとの 2 台持ちもおすすめです。

パソコンにインストールする OS は大きく「Windows OS」「Chrome OS」「macOS」「Linux 系 OS」に分けられます。この中で小学生向けパソコンにおすすめなのは Windows です。Windows は汎用性が高く、利用者も多いのでさまざまな用途に使えます。

不具合が発生してトラブルを解決するときにも、ユーザーが多い分情報量が多くて解決しやすいのもメリットです。

他にも「子供に有害なサイトを見せたくない」「動画視聴の時間を制限したい」「課金制限をかけたい」というニーズに応えるペアレンタルコントロール機能を搭載しています。この機能を使えばさまざまな制限をかけられるので安全性が向上します。

成長期の子供が使用するパソコンであることを考えると、目に負担が少ないディスプレイを選ぶことも大切です。パソコンのディスプレイにはグレア液晶とノングレア液晶があり、2021 年時点ではノングレア液晶が主流になっています。

グレア液晶は目にかかる負担が大きいため、子供向きとは言えません。学習にしても遊びにしても目が疲れにくいノングレア液晶が最適です。

小学生が使うパソコンのキーボードは、キーピッチが狭い小型タイプがおすすめです。手が小さい子供が使用する場合、標準的な 19mm のキーピッチではタイピングしにくく感じる可能性があります。

おすすめのキーピッチは、15.7mm・17mm・18mm あたりです。どのキーボードがタイピングしやすいのか分からないときは、店頭で試し打ちしてから決めてもよいでしょう。

ノートブックは持ち運びんで使用することがあるため、落下したりぶつけたりする可能性は避けられません。衝撃による故障リスクを少しでも低減するためにも、なるべく耐久性が高いパソコンを選びましょう。

パソコンによっては落下試験を行って耐久性を確認しているものもあります。パソコンが故障すると学習に大きな影響が出ることもあるため、耐久性はパソコン選びで重要なポイントです。

パソコンは精密機器なので、使っているうちに故障したり動作がおかしくなったりすることがあります。なぜかパソコンが起動しない、使用中に動作が極端に遅くなる、というトラブルは突然起こるものです。

そのようなとき、メーカーサポートが充実していると安心できます。サポートの充実度はメーカーによって大きく異なるため、パソコンに詳しい大人がいない環境であればメーカーサポートが充実しているところを選びましょう。

パソコン購入価格の相場はさまざまですが、小学生がプログラミング教育やタイピングの練習、または基本的な操作スキルの習得に使うことを考えると、5~10 万円がひとつの目安です。

一般的にパソコンは高価なものほどスペックが高く、安価なものほどスペックが低い傾向があります。そのため、予算とスペックのバランスを考えつつ、用途に応じたパソコンを購入することが大切です。詳しいスペックについては次で見ていきます。

CPU はパソコン上で演算を行う中心的なパーツで、性能が高いほど処理スピードが上がります。用途によって適切な CPU が異なりますが、一例として Intel® 製 CPU の目安を挙げます。
・プログラミング教育、Web ブラウジングなどの軽い作業：Intel® Core™ i3 以上 (エントリー~ミドルレンジ)
・動画編集、画像編集、パソコンゲーム:：Intel® Core™ i5 以上 (ミドルレンジ~ハイエンド)

パソコンを複数の用途で使う場合は、重い処理が要求される作業に合わせます。たとえば、プログラミング教育をメインとしつつ動画編集も活用したいなら、動画編集にも対応できる Intel® Core™ i5 以上が理想的です。

ストレージとはデータを保存する場所のことで、大きく SSD と HDD に分けられます。HDD は安価に大容量のストレージを購入できるので、コスト削減を重視するならおすすめです。

ただし、Windows を HDD にインストールすると起動や動作が遅く、ストレスを感じるケースがあります。これを避けるには、システムドライブに SSD を使用し、データドライブに HDD を使用するハイブリッド構成がおすすめです。

SSD は読み書きの速度が早く動作が快適なだけではなく、可動部分が存在しないので衝撃に強いというメリットがあります。SSD と HDD それぞれのメリット・デメリットを理解した上でストレージ構成を考えましょう。

メモリ容量が少ないとパソコンの動作が極端に遅くなり、快適に使用できません。そのため、十分な容量のメモリを搭載したパソコンを選ぶことをおすすめします。メモリ容量の目安は以下のとおりです。
・プログラミング教育、文章作成、Web ブラウジング：4GB 以上
・画像編集、動画編集、パソコンゲーム、マルチタスク：8GB 以上

軽い用途であれば 4GB メモリでも動く可能性はありますが、快適に使うのに十分な容量であるとはいえません。特にノートブックは購入後にメモリを増設できない機種もあるため、余裕をもって選ぶことが大切です。

「メモリ容量が不足したら増設しよう」と考えている方は、購入したいパソコンがメモリ増設に対応しているかもチェックしておきましょう。